用意された素材を
どう生かすかという事

  ARTIFACT



自分の属性(アイデンティティ)が「作り手(クリエイター)」であるよりも「育成者(テイマー)」であることに快感を見出してから、俺の生活はだいぶそのパターンを様換えしていった。

勿論、自分自身も素材の一つで、強くなることだけに前を見た後輩も、多分最初は実験対象(モルモット)みたいなものだとでも思っていたのかもしれない。

そんな言い訳をしていたのに気づいたのは、結構早かったけれど。

とにかく、モルモットと思っていた存在は磨けば磨くだけ強く美しく存在できるいっぱしの獣で、自分が魅入られているということに気づいたのは、多分。

こいつに負けたくないと思った、その瞬間。


「つまり、どん底?」
「うっさい」
「じゃぁ君はうざいよ、乾。11組の特に親しくないやつから出動要請受けた身にもなってよね」
・・・・・・・・・誰だ?
11組のデータオタクがなんか落ち込んでいるから6組の不二周助を呼んできてどうにかなるだろうと考えたアホは。
余計空気が変な重さをはらむことを、予想つかなかったのか?
自分をも追い詰めるような思想はこの際飲み込むことにするべきだろうが。
「惚れた張れたが慣れてないのは仕方ないじゃないか」
したことないんだから。
不二の声は明らかに教室中の視線を集めるために発せられた。
その証拠に、3−11の教室は沈黙した。
おそらくは、絶対的な恐怖で。
あぁ、自分の事ながら情けない。

「まぁ犯罪には走らないでね」
「ばれない犯罪は犯罪じゃないんだよ」

とめろよ、という幻の突込みが、教室全体から発せられた気がしたのは、気がした、だけではあるまい。絶対。




前半と後半でノリが違います。
乾さんと不二子さん。
乾さん、どん底。
惚れたと気づくと落ち込むタイプだと思ったので。
青学別の意味で2強。

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