一人でいることは嫌いではない。
どちらかというと、マイペースな方なので、むしろ居心地はいい方だ。

それでも。

自分のテリトリーに居座ることを
赦せる人も、勿論。


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日常は時としてその存在感を失い、
ふと我に返った瞬間にはもう、

非日常への扉を押し開けている時がある。

遠くでチャイムが鳴っている。
自分たちを突き動かす筈の機械音は、でも。

なぜかどうでもよくて。
怠惰な空気の中、沈黙する。

「地に、足がついていないって、いうか」
「……?」

不意に始まったのは、普段あまり喋らない人の、さぐるような言葉。

「あんたといると、なんだろう?」

普段口ベタな人間というのは、紡ぐ言葉を選び出す時、そこに込める意味が深ければ深いほどに、その音を紡ぐまでに時間をかけてしまう。
だから、度々生まれる沈黙はゆるりと風が戯れる蒼天に融け、2人しかいない屋上は誰に咎められることもなく時を浪費する。

「なんか、うん」
「……」
「現実に見放された気がする、っていうか・・・」

「ふぅん」

初めて音になったのは、理解も肯定も納得もなく。
そうなんだ、と。ただの、相槌。
どうしたいのかとか。
どうして欲しいのだとか。

一切聞く気も起きないし、それに。
「なぁ」
君が、聞いてくるから。

「あんた、本当に<ここ>にいるか?」


こうやって言葉を交わして。

力を取り戻しつつある日の光の力を借り。
その体から影を伸ばして。

背中あわせに体温を交わして。
一緒に汗を流す部活をして。
時々、ちょっとスパイスを聞かせた<イベント>を開催して。

負けて悔しい思いをしたり
勝って笑いあったり

時として。
他の誰にも見せたくはないはずの
弱さを露呈しあっているのに

何がきみをそんなに不安にさせてしまったのだろう?

「いるよ」

ここに。
言葉にしたのは、思いの外強い、感情。

「お前が認めてくんなきゃ、俺は誰に存在を肯定してもらえばいいんだ?」

自分の現実を、
最も曝け出している君に。

否定されるのは、流石に。ちょっと。


「・・・・・すいません」
「うん?」
「不安、なんすよ」

気の張っていない正直な、不安そうな声。
それを向けてくれるだけで。

案外、自惚れてはいるんだけどね、こっちにしてみれば。

「あんた、掴み所なさ過ぎて。
いるって、そう云ってる傍から・・・消えていきそうだ。まるで」
「なんで?隣りにいるでしょう?」

今。

「そう、なんすけどね」
「じゃぁ、名前呼んでよ」

「え?」

「呼んでくれただけ、応えるから」

そうしたら、信じてくれる?

返事の代わりに、空に融けるのは。

睦言にも似た響きを持つ、手探りに俺を示す名前。
君のために用意された、それが、君だけの特権。


これもデータマンリンクに描いてきた奴ですね。
なんか、全然名前出てきてない上に
かなり薫君(らしき人物)がネガティブな話・・・ごめんなさい。
って。・・・何故?
貞治(らしき人物)は馬鹿みたいに強気なのに・・・
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