太陽のない死神界では、決して見れなかった光景。
黄昏から闇の戸張が舞い降り

静かに
夜とツクヨミがその支配権を主張し始める。


Moon Ligth Sonata


人は闇を恐れて火を手に入れたんだ。
夜であっても人間界は眩しすぎると行った俺に、闇に微笑む人間はそう答えた。

夜の神、月。

その名を与える為に生まれてきたような綺麗な人間。
似合うのに、どこか似合わないといつもおもう。
人間の「火」の代わりに手に入れた電気と言う明かりにいともすれば埋没しそうな天空のツクヨミのような控えめさは一切無く、寧ろそのプライドで、自ら輝いているような。

ライトは、火だな。

近寄ったら、やけどをする。
その強く深いところにある意思と暗さで。
そうと告げたら、神になる、と告げた男はそうなんだ。と一言だけ返してきて、いつものようにノートを黒く埋めていった。
無感情に、生きるために名を綴る死神よりも義務感にかられて。

「電気、つけないのか?」

その手元が徐々に暗くなっていくのを観て、さっきとまるで矛盾した物質的な言葉を口にしたことに自覚が無かった。
うん、と小さな応えを耳に捕らえて、自分が本当にその問いを口にしたのかと今更気付く。

「つけないよ」

月はもう一度詳しく答える。
勿論のように、その目をノートから外すことは無く。

色を変えていく窓の外を見た。
徐々に闇が深くなっていく。
その中で、ノートに死者になっていく人間の名前が書き連ねられる音だけが響く。

ふと。

ツクヨミが色を帯び始めるのが目にとまる。

様々な名前で呼ばれるそれは、死神の目に映るカウントダウンすら追いつかない。

相変わらず確かに存在しているのに控えめな存在は、やはり月には似合わないと思う。

太陽の光を受けて、輝いていると言う月。

その話を聞いてから、自ら光る月には、純粋に似合わないと思ったのだ。

勿論、夜神 月の光には、暗い手元のノートを照らす力はないから、どんどんノートの白は見えなくなっていく。

でも、月は無言で闇の中に沈んでいく。

「ライト」

「・・・・・・・・・・・・・・」

小意地の様に闇の中書き続ける人間の名を呼んでから、その名と同じ部屋を明るくする機能を果たす紐を引いてみた。

視界が一瞬眩むほどの明るさが部屋に満ちる。

そうされたことが予想外だったのか、月が驚いた顔で振り返る。

「いや」
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特にそういうわけではないのだけれど、まるで攻められたような気がして、いいわけが口元を掠めた。

「ライトの、目が悪くなると思って」

「・・・・・・・・・リュ−クが」

自分でもあきれるようなくだらない理由に被って、どこか切羽詰ったような言葉。

重ねられるその続きを沈黙して待つ。

「リュ−クが、明るいって言うから・・・」

その後、どんどん小さくなっていく声の意味がよく解らなく手首を傾げる。

自分でもその言葉の意味合いを躊躇うのか、月は最後には俯いてしまった。

その仕草の意味が難しくて、やっぱりずっと明るくなった部屋の中でたちすくす人間を見ていたけれど、不意に腕をつかまれ、そのもう片手でつけたばかりの電気を消されてしまう。

再び戻った曖昧な夜とツクヨミの光の中、勢いでベットまで体ごと押し付けられた。

「ライト?」

勿論、痛くもないし重くも無いが、その行為に対しての意味は求めてもいいだろう。

やがてたっぷりの沈黙のあと、ポツリとその応えが返ってきた。

「暗い方が、いい」

「・・・・・・・・・・」

「暗い方が」

それは不可解な意味だったけれど、暖かい熱を確かに感じてるこの時間が悪くなかったから、沈黙して暗い中、その時間に甘じんだ。

やっぱり、ライトは火だ。
触れたところが、燃える様だ。

そうと告げると、小さな笑みと一緒に、物騒な言葉がついてきた。

「いいね、それ。僕もリュ−クと一緒に、燃え尽きれる」


悪くないな、と思ったからそういったら、月は笑ったけれど、それは声だけで顔を上げていつもの笑みを見せてくれることはなかった。
すいません。
初書きでこれかよ。
なんかすっげぇ月が乙女だよ。
っていうかリュ−クが妙だよ。
月をツクヨミと書いたのは解りやすいかなと。
ライトを全部カタカナにするよりは、

月ってその名前が。
似合うような、そうでないような。
彼はとても炎のようだから。
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