林檎の価値が
失われた世界以上に

一転した日だった


□For-get-Me-Not


「元々林檎が聖書の創世記に書かれている<禁断の果実>であると言う考えは、ギリシア神話における「林檎」の象徴を元に16世紀のルネサンスの辺りの絵画から植え付けられたイメージに過ぎない。実際果実に関しては諸説あり、無花果だと言う話や、場合によってはバナナなんていう面白いのもあるそうだ。まぁ、なんていうかバナナって言う説はある意味意味深ではあるようだがな」

遊びめいた教授の雑談が、耳を通ってそのまま流れていった。

終了直前の雑談は曖昧なところで中断され、学生たちが次々と退室していく中。

何故そんな話になったのかもよく解らないけれど、ただなんとなく。

林檎と言う言葉に引かれてその言葉を頭の中で繰り返していた。

林檎。

なぜだろう?ごく当たり前の単語に、酷く懐かしい響きがある。

「夜神君?」

「え?」

となりで、珍しく登校してきていたL・・・いや、流河か・・・が珍しく小声で耳を擽った。

言葉に、無意識に応じたと思ったらその呼吸が上手く出来なくて一度、しゃくり上げた。

泣いてる。

自分の反応に、純粋に驚く。

「あ、れ?」

「大丈夫ですか?」

「あ、うん。平気だ」

この男に心配されるなんて不快でしかない。

何故?

キラを追う仲間として、こんなにも心強い人間はいないはずなのに。

矛盾している。

なにが?何一つ、おかしくない。

「キラが」

自らのこの混乱を、知っているのだろうか?

ふいに真名を知らない男が言葉を重ねた。

「残したメッセージを憶えていますか?」

「メッセージ・・・?あの。<死神は林檎しか食べない>っていう・・・・・・あぁ」

成程。

それが無意識に頭の片隅で擡げたのか。

・・・・・事実だから。

(え?)

なぜ、それに確証が持てる?


死神など存在しない筈なのに。


「死神、なら」

「・・・・・・・・・・・・」

「この話を、どう思うでしょうね」

その例え話は、どういう意味なのだろう?

そう無意識の反射で勘繰りながらも、答えは酷く確証を持って言葉になる。

「きっと、関係ない。美味いなら、それにこした事はない、と」

そういうと思うよ。

そう答えた時の自分の、表情に予感は出来なかった。

ただ、刹那。

その言葉に同意するような、柔らかで艶やかなは黒いはばたきを、全身で聞いた気がしてふと窓際を見ると、


其処に1冊の黒いノートが自分を待っているかのように存在しているのに気がついた。




ありえねぇだろ最終回話。


っていうか現在のWJ(04.9)において
おっそろしくありそうなひとコマ。
(あの状況で大学にはいかないか)
キラは捕まっていないし、Lはしんでいない。
ただ、林檎好きな死神の存在と
月の信念だけが行方不明。

だけど、そこには。
新しい物語の始まりの一冊。
・・・・それにしても。
何で林檎なのにタイトルは勿忘草か。
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