したいことをすることに
誰が罪だと指摘できるだろう?
Innocence
死神は、生殖行為による増殖を行なわない。
おそらく、「ノート」がその存在の「増殖」を手伝っているのが原因なのだろう。
生憎、傍らの死神の「人」であった頃など想像も出来ないが・・・・
「純血」の死神は、多分存在しない。
最初の死神の存在の可能性や、ノートの存在の始まりなども気になる所ではあるが、それを知るものが果たして未だかの地に存在しているのかどうかもわからない。
ノートの発祥は、紙の開発以降だから案外最近の筈だ。
死神界も死神も、デスノートも、実はとても謎であると同時に多くの矛盾を抱えているが、本当に存在しているのだ。
ならば、受け入れるべきだろう。
繁殖を伴わない、生殖行為を受けることが出来るという可能性も。
はじめてかわした口付けは林檎の味がした。
どうしてそんな行動をとったのか、今思い出してもわからない。
出逢った時の衝撃を忘れられないほどだったのだが、それでも長い時間傍にいるという関係は、奇妙な進展を手伝ったよだった。
「・・・・・・・・・」
裂けたような口元は、自分の唇とは決して重なったとは言いがたかった。
それでも、酷く満ち足りた気分にさせられたのだ。
それはこの黒い異形との関係を、ノートだけではなく手に入れたからだと信じたからだったのかもしれない。
「リューク」
「うん?」
「よく、キスなんて知っていたね」
「忘れていた」
「そう?」
「あぁ。ライトにしたくなるまで、こんな行為忘れていた」
それは人であった頃に意思表示として誰かに行なったということだったのだろうか?
嫉妬とは言わない。
ただ、自分には酷く幼い匂いのする疑問だったような気がしたから口にはしなかった。
「ライトの唇、柔らかいんだな」
「リュークのキスは、林檎の味がしたよ」
「・・・・・・」
もう一度、キスを交わした。
それはとても静かで、無意味な行為で、なのに酷く、心地好かった。
子供同士の交わす、曖昧な約束代わりのように。
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