其れは正しい事じゃない

正しいと思っていることだ


DRY SEA


「僕は、神ならんとしてノートを取った。
思えば僕には、その時から確信があったんだ」

「確信?」

己の呟いた言葉自体、形無い夢見心地の声であるようにLの内側に響く。

お互いの距離は腕を伸ばせばそのまま届きそうなのに、おそらく彼は答えようとはしないだろう。

自らを人から引き剥がした闇に、彼は居心地の良さそうに身を寄せているから。

「僕が終われば、僕は自動的に【死神】となる。
だけれど、それだけじゃ意味はない」

「・・・・・・・・・・・」

「人として、人のためにノートを使ったんだ。この世界の、神としてね」

「しかし君は」

その目的は果たせず、「負け」を認め、姿を消した。

核心に至る証拠は、唯一つ。

「新しく出来た」犯罪者達の謎の死が、ぱたりと止まったということだけ。

しかし毎日毎日人の姿は原因不明なまま失われる。

件の日、この世界で一体何人の「行方不明」が出たかといえば、それはキリが無いのだが。

Lには、彼と言う確信がある。

「これ以上、何も出来ない筈だ」

「出来ない、じゃない。
人でなくなった以上、しがらむ意味もないだけだよ。
死神という身で出来る革命を行なうだけだ」

恐ろしく前向きで、自己中心的な主張。

それはおそらく、彼だからこその自信であり、野望。

神になる。

これまで幾多の人間がその世迷い事を口にし、文字通り全てを失ってきただろう?

しかし、彼は最大たるものを失って尚、君臨することに躊躇いが無い。

寧ろ彼の言葉だけを信じるのなら、本当にその「迷いごと」を実行できたのだ。

「別に、してもいいのだけれど」

「なに?」

「まるで抜け殻だね、L」

あえてその名で呼んだのだろう。

今目の前に立つ彼は「キラ」と呼ばれた存在だ。

「そんなに、キラがいなくなって楽しみが無くなった?
哀れだね、名探偵。
君も、キラも所詮同じだ。
犯罪者がいないと意味がない存在。
あぁ、違うか。君の場所には犯罪者が何十・何百といる。毎日毎日増える。
ただ、君がそれを解決しようとしないだけだ」

攻めている、とはいえまい。

彼が告げているのは、あくまでも現実だけだ。

「・・・・・・・やっぱりノートは預けておこうか。
あぁ、リュ―クのは回収させてもらうよ。僕のを持っていてよ」

どういう意味だ?

目線で問いを投げつけると、綺麗な笑顔と冷たい目線が探偵を貫く。

「君も、退屈と出会えば良いよ。
言葉ではなく、それで君はキラを本当に知ることが出来る筈だ」

話すべきことは終わったとでもいいたそうに、かの人の背が美しく羽ばたいた。

その優雅な動きが、黒い翼に絡み、幻想を生む。

「ライト、良いのか?」

「いいんだよ。
僕の正義を、これが最も示すことのできる手段だから」

囁きあう死神たちの会話は、Lの幻だったろうか?


と、いうわけでして、「L」と「キラ」の為
リュ―君の出番が少なかったです。ごめん。
犯罪助長みたいな文章・・・・
いいのか、俺。
後一本位で小休止かな。
BBSがあまりにさみしいので
感想書いていただけるとうれいいなぁとか
ちまっこくいってみたり。
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