幸せだと

そう勘違いできる出会いだった


FantaiSieImpromptu


「お兄ちゃん、最近よく笑うようになったね」

妹の言葉は突然だった。

いつもの何も知らない笑顔で、ふと思い出したように言ってきた彼女は、特に意味が無かったのかもしれない。

言った本人はその後のフォローもしようとせず、ご馳走様といって先に席を立った。

「さゆ?」

確認するように呟いたが、力なく弱い声は母親の蛇口を捻って出したその水音にすっかり呑まれた。


背後で死神が、ポツリと呟く。



ライトはいつも笑っているじゃないか、と。



笑う、にも色々あると思うのだが、おそらく妹の其れと死神のそれとは違う気がする。


(笑う、か)


妹は「いいこと」としてそうと言ったのだろう。

だとしたら、キラとしての笑みではなく、兄としての表情だと思い当たる。

(だとしたら)


退屈を失ったからだろうか?


それとも


自分を曝け出せる相手を得たことだろうか?

その、笑みを覚える手段と得たのは。


「ライト?」

「リュ―ク」

「なんだ?」

「ありがとう」

どういう意味だ?

死神は聞いてきたけれど、勿論答えてなんかやらない。


そんなに甘くはない、と思ってたら、やっぱ、笑ってる、と返されてしまった。


多分、君にだけだよ。


教えてやる気は、全く無い。

勿論、Lとの戦いも悪くはないんだけれどね。

黒い死神が傍にいるっていう、そのステイタス。



笑顔が幸せの象徴であるというのなら、そのことが僕の笑みの一番大切なこと。




久しぶりの単品SSなんですが
きっとライトって「キラ」になってから
すっごい表情豊かになったよねーと勝手に決め付ける。
いい人ってだけの顔だけじゃなくて、
おそらく心からの笑みも黒い部分も
きっと人を豊かにするからきっと。

さゆっち、当サイトにおいてはびみょ―ライン。
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