0

霊界はその日もおおわらわだった。

使者を管理するこの場所は、日頃とても忙しいが、最近は「別格」といえた。

予定外の・・・しかも重刑対象者が只管多いのである。

これには最高責任者も頭を抱えた。

そしてこの「異常事態」の原因究明のため、水先案内人を通じ、人間界における霊界の委託機関ともいうべき人間に、調査を命じることを決断したのである。






Phychosomatic Disorder

・・・PRE STORY・・・・・・・・・・・・・・






 1

「っていうわけでね。手を貸しちゃくれないかい?」

気風のよい姉さん口調で、彼女は店の店主に言った。

手元のラーメン器はすっかり空になっていて、つまり一応は客なのだが、店主は深いそうにしっしっと手を振った。

「俺がいったいそっちをどれ位前に引退したと思ってんだ、ぼたん。四代目使え、四代目」

「いっやぁそれがさぁ。あの双子、今年受験でv」

こっちは受験どころか生活かかってんだ。

定食屋を切り盛りする店主は、暢気な客にそういい返す。

いくら旧知とはいえ、できる事と出来ないことは別口だ。

「だいたい、例の事件なら人間界の警察だって動いているだろうが」

「其れとこれとは別なんだよ」

蒼いポニーテールを揺らして、彼女は声を上げた。

人の姿をしながら、人ざる存在。

そうである筈なのに、どうも旧知と言うのはその人の幼さばかりが目立つ。

「ぼたん、いい加減に・・・・」

「わぁーケイコちゃぁん、ゆーすけにおそわれるぅ」

「人聞きのわりぃことを言うな!」

ぼたんという名を呼ばれた女性は、冗談めかしてそう叫んだ。

明らかな目的をもって。

「あらぼたんさん、来ていたんですか?」

「ひさしぶりぃ、おかーさんやってても美人さんだねぇv」

知らぬではない人妻への軽口は、そのまま亭主へのヤサ当てだろう。

最も年相応ながら「お前のかーちゃん美人だな」と評してもらえそうな彼女は事にはなれていて、ぼたんさんこそお変わりなく、と事実といえばその通りなことを言って返した。

「今日は?」

「お仕事v」

「うちの宿六でよかったら上手く使ってやってください」

「あんがとーv」

亭主は無視されたまま、女同士の会話は弾んだ。

「けいこ、ぼたんを付け上がらせるな。
大体俺は魔界と人間界との仲立ちで結構ハードなんだぞ」

これ以上、厄介事を増やすつもりはない。

そう主張する男にぼたんは「つれないねぇ」とあまり深刻そうではなくぼやいて見せた。

「つれなくて結構。ったく暇人だったら飛影とかいるだろ」

「どこふらついているかわかりゃしないよ。
その上あれに聞き込みなんて出来るもんかい」

成程、最もだ。

「ゆーすけも聞き込みって言うのは上手くないと思うんだけど」

「いやいやけいこちゃん。自分の旦那を甘く見ちゃいけないよ。
これで結構人脈あるし、人好きする男だからね」

褒められているのだろうが、些か心地が悪いのはどうも調子に乗りたくない「仕事内容」のせいだろう。

「っていっても、相手は「キラ」とかってやつだろ?
聞きこむったって、なにをどうしていいんだか」

「んー。それなんだけどねぇ。
こっちも予測しか出来ないんだよぅ」

「予測?」

「おそらく、人間界に落ちた死神界のノート。
それが・・・・・・全てを司っているだろう、ってね」

眉唾だろ、それは。

そういう代わりに、浦飯 幽助は指を嘗めて自分の眉をなぞって見せた。




さて。
すいませんすいませんすいません。
本編のメインキャラが一切出ていません。
ふつう、こういうあたまで話を書くかな・・・・・・
さてと。
今回はプレガイドです。
続くかどうかは皆様次第でございます(笑)
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送