愛してるって言ってみて。 それだけで僕は・・・ Mazurka 認められたいという感情は、人としての存在理由をほしがっているその証明だと僕は思う。 それもおそらく、誰彼構わぬということではなくて、場合に寄ってはたった一人に回帰する。 面白い。 自分にとって最高の誉め言葉は、無邪気で無責任な好奇心の持ち主の口にする浅はかな言葉. 「・・・・・」 それだけで満たされていたはずなのに。 いつのまにか、許容量は肥大し、そして埋まらない隙間の片隅でうずくまる。 「ねぇリュ―ク」 「なんだ?月」 「君にとって僕は何?」 「月は月だ.他の何者でもないし、代わりもいない」 「・・・・・・他意はないんだよね」 「他意?」 「なんでもない。あってほしいと思うのは、僕の我侭」 「・・・・・・・?」 意味を図りかねた死神は首をかしげる。 重力に従順しないその巨体が勢いついて一緒に傾く。 「いいんだよ。君が僕を認めてくれているだけで.僕はここにいられる」 「月は最初から人間界の生き物だ. 他にどこかに行くのか?」 「そうだね。リュークがこのゲームに飽きちゃったら」 行ってもいいかもしれない。 本当にそう思ったからそういった。 どこか、なんて白々しい。 出会ったときに宣言されている。 彼が飽きたときに訪れる僕の世界は、死しかない。 最初から分かっていることだ. それを認めてなお、僕はここでこうやって、死神に寄りかかりながらその仕事を代行するようにノートを書きつづける. 全てはただ. こんなに心地よい場所を奪われたくないと望む故に。 奪われるぐらいなら、全て終わってほしいと願う故に。 「月が」 「・・・・・」 「どっかいくなら」 「うん」 「俺も、ついてく」 「・・・・・・・」 「ただ、月がいるだけで俺は飽きないから」 「うん」 「月はずっと、ここにいるだろう?」 「・・・・・そう、かな」 「そうだ」 「そっか」 他意はない。 わかってる。 向けられているのは期待。 学校や親とは、別のモノだけれど。 それでも。 泣きはしない。 そんなことできない。 泣くという行為は生理現象だ。 本来は理性で止めていて、泣くのが普通の状態という話も、聞いた事はある。 泣くことで、ストレス物質を大概に排出するとも分析結果がある。 そんなことはどうでもいい。 きっと今こらえた涙は、近いうちに自分が意味もわからず流すことになる気がする。 その予兆が、既に世界には見え始めている。 だけれど、そのときまで。 せめて。 あぁ愛されていたんだと。 そう信じさせてください。
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