蛇はイヴを唆し。
その果実を食するようにと差し向けました。
神様の禁じた、知恵の果実。
でも。
どうして蛇は、
人にその実を与えたかったのでしょう?






 |||||WORD:選択 示された選択肢|||||




「DeathNoteは果実だね」
ある日、少年がそう呟いた。
もともとの持ち主は首をかしげる。
自分ももう1冊もっているそれは。

甘くも無いし
食べられないし
匂いも特に無いし

何処をとっても、自分の好きなあの果実を思わせたりしない。
そう思って聞くと、そうだね、と少年はあっさりと同意した。

「あまくないし」

そういって黒いノートに口付け

「別に種を撒き散らし、増えるわけでもない」

そういいながらノートと同じ黒さを持つ存在に腕を伸ばして

「腐敗するわけでもない」

そう告げ、人とは異なる体温を抱き寄せ。

「でもね、リュ―ク」
「なんだ?月」

元の持ち主である生き物は、さした力も無いはずのその腕の束縛に、逆らう事はしなかった。
寄せられるまま、その美しく整った薄い唇が、自らの元へたどり着く様を感受する。
「口にするか、否か。
選ぶ権利は人のほうにある。
拒否することもまた、ありえた1つの選択肢」
謳うかのような少年の呟きは、不意に唇の裏側に隠される。
あまやかに、艶やかに。
誘うように。

「でも人は無視しなかった。
どうしてだと思う?死神」

「うまそうだったから」

死神と呼ばれた持ち主は応えた。
何一つ、偽り無く導き出した本音で。

少年は与えられた答えに声を立てて笑う。
その腕を、いとしいものに絡めたまま。

「なんてすばらしい真実だろう!リュ―ク。
そうだよ。おいしそうに見えたんだ。
だから歯を立てた。噛み砕いて飲み下した。
その甘美にたまらず他の誰にも与えず見せびらかしているんだよ」

答えが気に入った、とそう示すように少年は死神に口づける。
それは

祝福なのか
呪いなのか
御徴なのか

答えを選択するその権利は、与えられた死神にこそ。




蛇は神様に罰を与えられました。
全ての生き物の中で、最もけずさまれ、嫌われる存在であれと。
けれども果実を食べることを唆されたイヴは。
果たして本当に、蛇を憎むことが出来たでしょうか?
知る喜びを、力を与えてくれた、その存在を。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
と、いうわけで。
久しぶりにお題攻略になります。
そんなわけで「選択」
選ぶその自由は、ノートを手にした少年にあった。
そういうわけで。
それにしても。
ふむ、困った。
なんだか月が御手洗 潔さま(愛)みたいだ(こら

大体、何度となく「聖書における禁断の果実が林檎というのは絵画等の歴史の中でギリシア文化との融合が要因であり、
決して旧約にはそのように記されてはいない」という峰を書いておきながら、よりによって聖書ネタだよ、俺・・・
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