その石はTYPE U bと呼ばれる特殊な構造をしていました。 これはダイヤモンド=(つまり)炭素を母体に、内部の窒素化合物の含有量により分類されるタイプUの中でも、非常に珍しいb種に分類されることでも示されるのです。 このタイプUbは、窒素よりもホウ素を多く含み、その原石(ルース)はダイヤの特徴といってよい正八面体結晶の形がはっきりと明確には現れずに、結晶を形成する炭素原子のいくつかがその原子よりも電子の一つ少ないボロン原子と呼ばれるものを置き換えられてしまっているそうです。 故に伝導率を有し、電気に対し、半導体となれる称を持つことになりました。 勿論当時の人間にそんな原子物理学があるわけでも無いのでしょうが、珍しいという点では、ヒトは良いにしろ悪いにしろ、そのものに対する寓話を欲するものであったのでしょう。 Bule Diamond Of The Crown CASE;03___ キラがいなくなった。 少なくとも、何人の人間もが其れを思っていると少年は確信していた。 「キラじゃないよね」 「そうか?犯罪者は死んでいる」 「でもキラじゃない。 キラの基準じゃない。 だからキラじゃない」 奇妙な一段飛ばしの論法に死神は首をかしげた。 人の思想は死神には時として不可解で。 「キラじゃないなら」 「今<いる>のは偽者だよ」 少年は確信して告げた。 死神には分からない。 なぜ、そんなに自信を持ってそうと告げることができるのか。 「なぜ偽者がいる?」 「キラが望んだんだよ。 そして今、自分は息を潜めている」 少年は確信していた。 キラが捕まったとしても、報道されることはないだろうと思っていた。 けれどまだ、キラは捕まっていない。 「キラ」とは思えない「キラ」の存在がそれを示していると。 「姿が無いのに、姿が消えた。 はは、死神界にいてはみれない楽しさだ。 あの美しい生き物の果ても気になるが、想像するしかないもどかしさに心が引かれる」 少年が嫌そうな顔をした。 「まぞ?」 「なんだ、それ」 「昔の僕」 「今は違うのか」 「違うよ。あの人が死んだから」 「最初に殺した人間?」 「そう」 人であれば、彼のこの言葉に息を呑んだことだろう。 だが彼の言葉は淡々としていて、死神には興味のない話。 「キラに変わろうとは思わないのか?」 「僕が?」 「その力があるから」 「ないよ」 「?」 死神は疑問に思ったことを聞いて、少年はそれに応えた。 恐らく死神が首をかしげることを、知ったうえでの言葉で。 「僕に、キラにとって代わる力はないんだよ。 僕はキラほど頭が良くない。特別じゃない」 「何故?キラとて、偶然で力を手に入れた存在だ。 特別なんかじゃない。お前と同じ、人間だ」 「その言葉の重さを、君は知らないね」 「?」 死神は首をかしげた。 少年は笑う。 静かに。 「考えてみて」 「なにを?」 「単純なこと。 僕と、キラの違い」 「・・・・・・・・・?」 死神は。一生懸命に考えてあらふ、と気がついた。 「同じなんかじゃない。 僕は・・・・・・・・・自分のための殺人を最初に手がけてしまった」 「そして」 少年が繰り返す。 どこか夢見ごこちに。 「僕は死神を愛していないし、死神も僕を愛していない。 これ以上ない、違いだと思わないかい?」 |
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