Affetto 世界中の警察すら、指先一本で操った男にしては、寂しい葬儀だった。 公に出来ないという事実もまたそこにはあったが、それにしても・・・・・哀れで。 そうなるよう、全てをお膳立てしたのが自分であるにも拘らず、しかも涙も出てきやしないのに、ただ哀れだと。 そればかりが心に満ちるのだ。 葬儀を行なわれるだけ、もしかしたらあの白い死神よりも幸せであるかもしれないのに。 ここにあの黒い死神がいたら、なんと言うだろう? 冗談めかし、感無量だと無責任に言うだろうか? 今はアノ少女の傍らにいる「彼」の反応を空想する。 最近、多いこと。 かつてあったとはいえ、酷く短い日常だった筈の、背後の気配。 「・・・・・・・・・・・」 音にはならず、呟いたその名を、聞きとがめるものはいない。 例え何か呟いたのだと気付いたとしても、恐らく死んだ探偵の名と皆思うだろう。 ここで口にされるのは、普通に考えれば、そうなのだから。 しかし。 常に次を見続けるものにとって、既に過去と化した存在など、特別でもなにもない。 特別、なのは。 (いま、どうしているかな?) ちゃんと、林檎は食べているだろうか? あのわがままな娘に、振り回されてはいないだろうか? 少しは、逢いたいな、とか寂しいとか、思ってくれているだろうか? あの探偵を自分のシナリオから排除するための代償は、記憶を取り戻した今、大学の単位や時間よりもあの死神がいる日常であったと今確かに感じている。 それが、正解だったのか、どうか。 未だ、解らない。 探偵は、こうやって死を迎えたけれど。 おそらく。 一番知りたかったことに確信をもち、満足はして。 一つだけ、手向けが出来たと信じている。 死の間際。 目を閉じた男の顔は満足そうではあったから。 (そうだよ、L) 君は、自分に誇りを持ってその時を迎えることが出来ただろう? (僕が、キラだ) 君の力で、それを証明することは、適わなかったけれど。 「特等席で、見るがいいさ、探偵」 それは。 勝者としての呟き。 新たなるシナリオが用意されていることは知らぬまま、瞳を閉じ、始まりの翼の音を想い。 「キラ」はゆっくりと目を閉じた。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 白「っていねぇっ
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