不二の電話を聞いて、とりあえず向かうことにした。
タカさんは強いから、多分大丈夫だとは想うけれど、今回は複数の素人だから、早めに行こう。大石の言葉に頷いて、とにかく走った。
あぁ、もう桃のチャリパチッとくんだった!

「英二、無理しないで」
「無理っ」

だよね。
実際、自分はスプリンタータイプだから、長距離になるとちょっときつい。
それでも仲間が危ない目にあってるかと思えばぐだぐだせきない。
とにかく全力で走って、たら、何故か隣を走っていたはずの大石がいつの間にかいなくなってた。
あれ?
でも止まれない。
持久力は大石の方が強いのに、と想ってたら、びっくりした。

「どっから持ってきたの?その自転車」
「乗って」

それ、答えになってないから。

「答え、聞いておく?」

・・・・・・・・・・うん。ま、いっか。

「しゅうーちゃん号!いっけーw」
「りょーかい、船長」
「俺船長?」
「だろ」



というわけで予定よりは何とか着いて。
ほっとするまもなく、危険な目にあっている友人を助けるために、ブロック塀を駆け、銃を構えたオトコを後ろから飛びつくことで制止する。
がしゃん、と落ちた機械のカタマリを、正面に来た相棒が蹴り上げる。
遠くにではなく、落とした持ち主の顎先へと。

「忘れ物ですよ」

嫌な音がして、とっかかってた体のバランスが崩れる。
あぶないあぶない。
離れて、後退、一回転。

「大丈夫?英二」
「うん」
「・・・・・・」

「俺以外の人に抱きついちゃ駄目でしょ、英二」

・・・・・・・・・・・・・・・ごめんなさい。
というところで、タカさんの方を観る。
自分が気絶させた人の上に乗っかって、にこにこしてた。

「ありがと、二人とも」
「大丈夫かい?タカさん」
「あぁ。二人のおかげで」
「ごめんねぇ。今回参戦してにゃかったのに」
「いや、まぁ首突っ込んだのは結局自分だし。
後輩が迷惑するのは俺もちょっと残念だしね。
ただ、大石。この人たちが双方"仲介人"だとしたら、元締めには逃げられるんじゃないかな?」
「それは警察に任せたいところだけれどね。
その警察が・・・俺たちに解決させるってことらしいんだけど」
「ってことは公僕がらみなの?これ」
「そうらしいよ」
「にゃんだか世知辛いにゃー」
「ま、拷問は乾の担当だし」
「んじゃ持ってくか」

人につかっていい言葉でもないのだが。
彼らの後の扱いを考えれば、まだマシという人もいるかもしれない。
勿論、闇に葬るんだけど、その扱いも。


「タクシー捕まえてくるね」
「ありがと、タカさん」
「うん」



「とりあえず、英二?」
「えーと、ごめんなさい?」
「なにに?」
「他の人に抱きついて」
「よくできました」



「それで河村は?」
「タカさんは戦線離脱」
「俺たちが帰っていいよっていったんだよ」
「まぁ、あいつは家業を手伝わないと死活問題だからな。
それより、ご苦労だったな、二人とも」
「・・・・・うわー、上から目線なねぎらいだにゃー」
「まぁ、いつものことだけどね」

「それで、当のとっつかまえた人たちは?」
「あぁ、乾に任せてあるよ」
「あ、そぅ」


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というわけで、あと2つでおしまい。
桃リョ組はオチかなぁ
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