04 とはいえ「街」といっても広い。 知らない場所なら、特にそれは感じる。 しかも英二が一緒にいた時間も話もちょっとした時間だけで、名前も聞いていないという話。 頭に血が上ってここまできちゃったけれど、さてどうしよう? 「ねぇ、英二」 「なに?」 「他に、そのおじさんの目印っていうか、ないかな?」 「めじるし?ふつーに目立つ人って感じだったけど… んー。電話の相手」 「え?」 「の、名前がさ、でも小林とか森とか植木とか」 「普通の名前だね」 「にゅー」 別に怒るつもりはないが、英二が申し訳なさそうな顔をするのもこちらが悪い気がする。 言い出したのは自分なのだから。 「ごめんごめん。俺の我が儘なのに」 「そんなことないけど。どうしたらいいんだろ」 「ん、もうちょっと歩こうか」 「あ。うん、そだね」 どうしたらいいのかわからないけど、手を伸ばして、握り合う。 …それにしても、ごはんをどっかで食べなきゃなぁ。 英二が用意してくれたのはクッキーで、俺はお茶で。 ごはんはどっかで途中で食べる手はずに最初からなっていたけど、結局ここまで来ちゃったわけだし。 「どっかお店見たら、いっかい休憩しようか?」 「いーの?」 「疲れただろ」 「大石と一緒のうれしいで、あんまりそゆコトはない」 「そう?でも、俺も作戦立てたいからさ」 「にゃる・・・、って」 作戦? 「そ」 そこまでやっている内に丁度どこにでもある、ある意味で無難なファーストフード店が目に入る。 示し合わせたように同時に足を向けて、時間帯ゆえにそれなりに混んだ店内で注文を済ませる。 幸い空いた席の隣りには、不思議な3人組。 同い年くらいの男の子とオンナノコ。 それから、「おとうさん」というには、若い気がしないでもない、男の人。 3人とも纏う色彩は違って、血縁とも思えないし。 ふ、と。男の人が、あれ?と英二を見て首をかしげたようだった。 どうしたの?オンナノコが聞くのが聞こえたが、男の人は言葉を濁した。 その隣で、男の子もしきりに首をひねっている。 ・・・・・・俺は英二を見たけれど、妙、って感じはしない・・・、と思うんだけど・・・ ここは気にしていても始まらない。 先に腹を満たすことにして、英二とそろってハンバーガーにかぶりつく。 「にゅー、おーいしー」 「ん?」 「おまわりさんに聞いてみる?」 「交番?アロハの妙なおじさん知りませんか、って? んー、ちょっと難しいかなぁ」 「あ、やっぱ? ……あと、不二に占ってもらうとか」 多分、俺が「作戦」なんていったから気にしているのだろう。 だろうけれど、えーと… ・・・・・・・・なんでそんなどれも怖い発想になるのかなぁ?英二は。 そんなとこもひっくるめて、かわいいなぁって想っちゃう、俺もアレだけどさ。 ========== あーおわんなかったにゃーorz
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