05





結局ケンセツテキって話にはならなくて、まぁそれは仕方が無いわけで、だから俺たちはつらつらと日常の会話へと流れていった。
それでいいと思うんだけど、大石の方は少し、まだ気にしている様子。
それもそっか。
確かにオレも大石ぎゅっとして、べき、はやぁだもん。
大体、大石にもいったけど、オレあのじーちゃんの名前も知らないんだから。
でも色々考えて、大石に提案して観るんだけど、自分でもなんていうか、どうしようってのばっかり。
特に不二はだめでしょ、不二はっ
なんでオレってば提案しちゃうのかなー
ってこっちが反省してる割に、大石なんとなくにこにこじゃない?

「どったの?」
「ん。エージがかわいい」
「・・・・・あんがと」

不意打ちはひきょーだぞ。
って思いながら、ティーパック紅茶を飲む。
オレンジにしたかったんだけど、だって「甘いもの」だし。
そんなんで備品壊しちゃったら俺弁償するお金ないもん。

うぁ。めっちゃくちゃ不便じゃん?!

「ねぇ、おーいし」
「ん?」
「やっぱどうにかしなきゃ、オレ不二とは別の意味で破壊神になっちゃうよぉ」
「不二のドノ辺が破壊神なのかは聞かないことにするけど、そうだね。
スポーツやってる人間で糖分が取れないのは結構致命傷なんだから。
かといってドーピングってことはないと想うけど…」

・・・・・・・・・・ぎゃーおす?!

「やだやだやだ!おーいしとダブルスできなくなったらやだっ」
「うん、だからどーにかしたいんだけど…
英二、静かにね?それにしてもどうしようかな。
キーワードになりそうな名前も結構普通って辺りが」
「えーと、こばやし、ともりー、だっけ。
あと何個かあったけど」

「会話中すまないな。少年ども」
「ほへ?」
「はい?」

大石の、少し警戒している声。
オレなんかそのまんま仰向けの状況で声のかかったほうを観る。
なんかぐったりした顔の銀髪のおじさんと、あっからさまにあきれている顔の女のこ。

なぁに?

「どんなアホアロハのジジィが、君に妙な能力を押し付けたって?」
「妙な帽子でヒゲで、豪快でいかにもオレ様っていう感じで、人生全力で楽しんでます、って感じのふぁんきーって言葉を思い出すじーちゃん?」

聞かれるままに答えると、大きなため息をついて、その人は傍らのオンナノコに声をかける。
さっき、オレが口にしたその名を。

「森」
「了解」

短いやりとり。
スムーズに取り出される携帯電話。

「コバセン?」

もう一人、首を傾げた緑の頭のおとこのこ(同い年くらい?)に、あー、と不思議に曖昧な態度。
なに?なに??

「当人にもとりあえず謝らせるが、とにかくすまなかった。
いや、もう本当に悪かった、ごめんな」
「はぁ」

初対面でこれだけ土下座する勢いで謝ってもらったのは、初めてかのしんない。

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