07


「ああいう勢いで通りすがりの若者たちに迷惑かけてんじゃねぇだろーな、ジジィ」
「人聞きの悪い。
迷惑なんぞかけとらんぞぃ。あれはお礼じゃというとろうが」
「もとかみぃ、あんた、それ大真面目におっしゃってらっしゃるぅ?」
「・・・じーちゃん、あやまっとけって。
悪いこといわないから」
「植木にいわせるって森の状況相当だぞ」
「……みてりゃわかるわい」

不思議なちからかんけー、っていうか、まぁウチは上下関係しっかりしてるからかもしんないけど、年齢スルーのこの人たちのやりとりってすごくなぞなぞ。
っていうか、一番上って、どーみてもおんにゃのこ?
謎のキャンピングカー(じーちゃんの持ちモノなんだって!)で送ってもらえることになって、その車内でまぁごたごたと。
すごく興味が惹かれるような、そーでないよーな。
だって絶対、俺たちにはわけわかんない関係だよ、この人たちって。

まー俺たちの関係もびみょーに難易度たかいとおもうんだけどねー
だって俺と大石って、色々混ざってるもん。

「さ、ついたぞ」
「あ。ほんとだ」

駅の前だった。
さすがに初対面の人に住所は教えちゃ駄目だろという大石の配慮で、ここにしてもらったわけ。
って、あぁそっか。
自転車もおいてあったっけ。

「ありがとございました」
「ありがとー」
「うん」
「こっちこそごめんねー、この考えなしが」
「君も、神様?」

とりあえず、さよならの代わりに、彼女に聞いてみた。
くすり、と彼女が笑う。

「冗談。そんな無力で他人任せな存在と、この森あい様をいっしょにしないで」
「耳が痛いのぉ」
「かみさまより、つよいの?」
「つよいな」
「つよいよなー」

小林さんと植木くんが二人でしきりに頷いている。

「っていうか、すごいな」
「そだね」

でも。
それは多分、力の意味じゃないんだとちょっとおもった。
だって俺の周りには俺がほしいけど手に入れられなかったり、いらないけどすなおに思える「すごいこと」がいっぱいある。

あの子にも、それがあるんだろう。
彼女だけの力。
それから。

「じゃぁね!」
「あぁ、気をつけて」
「じゃぁなー」
「お世話になりました」



「ね、大石」
「ん?」
「大石の隣は、俺だけ、だよな?」
「英二も、ね」
「あったりまえだろっ」

これも、きっと、神様だって持ってない"力"なんだから。



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 というわけで遅くなりました、完結っ


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