WEB拍手で「DANDOH!!とBLEACHとコナンとHOLIC」リンク話〜、 というコメントを書かれた方がいらっしゃいまして。 えーと、「浦原商店にコバセンが出入りしてて、ラミアと鈴子が知り合いで、 有子さんと元神が酒飲み仲間。 んで(+の)佐野とコナンの平次がクラスメイツ。」 そんなお話をいただきました。じゃぁもらったからそれをやろう(真顔)、と。 流石に遊びが過ぎましたので、隠しページです(笑 収拾つけるつもりは有りませんが、色々追加シナリオを(大笑 すいません、遊びました。 SEANE:01 立て付けの悪い戸を開けるには、ちょっとしたコツがいる。 スムーズに開けることができるということは、つまりそれだけ通いなれているという証明に十分なるだろう。 「いよぉ。」 銀髪の男が、さほど音も立てずにその店の戸を引き開ける。 聞きなれた声だったか、戸の音にいらっしゃいと言いかけた店の奥で電話で受けた注文品を準備していた店主は、その言葉を途中で飲み込んだ。 振り返った先に覚えのある男が、不敵に逆行を背負って笑っている。 「よぉ。生きてたか、死神くずれ」 「そっちこそ。生きてたんですねぇ、神候補崩れ」 男の言葉に答え、挨拶というにはお互い皮肉めいた色を隠そうともしていなかったが、その表情は笑みの彩を残している。 それらは彼らの中で、このやりとりが日常以外の何者でもないことを示していた。 更なる証拠として、来客は店主と顔がつき合わせられる三和土に許可もなくどっかりと座り込み、その奥の畳に座す店主へと無言でもてなしを要求する。 何を言っても無駄なのもまた同様だったか、店主は深く被った帽子で隠された表情の下で小さなため息を漏らして、歓迎したいとはいいがたい来客の為に急須を取った。 これが日頃であるならば、信頼の置ける従業員がそれこそこの人物が座り込むのと同時に要求される前にそれらを用意してくれただろうが、生憎今その人物は所要で出ている。 出がらしですからね、と先に断ると、お前にロイヤルコペーハーゲンの器に100g2,000円のファーストフラッシュのダージリンなんて期待しちゃいねぇよ、と鼻で笑った軽口が返って来て、店主は連れて笑った。 「なんのようです?」 冗談でなく白湯とさしてかわらない器の中のそれに顔をしかめながら、それでも口をつけた来客にそうと問う。 いや、店である以上、客というのは商品を買う・・・もしくは買う意志を持っている人間を指す筈だ。 そういう意味では正しく言えばこの人物は「訪問者」に過ぎないといえるが、考えてみればそれすら良心的な解釈といえるだろう。 この男は、昔なじみの顔を見に来ることだけに時間を割くような真似をする程暇ではない。 「わかってて聞くのも、馬鹿馬鹿しいんじゃないか?浦原」 不敵な笑みと探る、目。 聞かれたこと自体を面白がっている調子は、まさに傲慢な神という人々が作り出した幻想すら髣髴させる。 彼はかつてその候補でこそあったが、もうその地位に上り詰めることはないはずなのに。 いや、それでも。 この「現世」においては、そう違うともいえまいか。 「さぁて。オレは神の代理人としてここに来た。 最近、この付近の霊威に異常が見られるから調べろ、っていう上からのお達しでな」 神の代理人。 一見冗談以外の何者でもなさそうな、しかしきっぱりとそう名乗る目の前の現人神は役所仕事の半分投げやりな口調で一介の店の店主に過ぎない男にそう告げる。 もっとも、店主とて十分一般的な「店の店主」という印象からはかなりかけ離れているのだがそこはあれだ。 人間も神様の代行者と名乗る社会教師とやらも元死神なんて職歴を持つ一介の雑貨屋店主も、自分の背中を直に見ることはつまり不可能なのである。 「異常?それはまた聞き捨てなりませんねぇ。 けどね、小林さん。ここは普通の、まぁ一部普通じゃない商品も取り扱ってますがただの店です。 情報収集にはちと役不足じゃありませんか?」 店主の思わぬ下手に出た反撃に、男は片眉を跳ねさせて面白げにその笑みを深めた。 その反撃が、意外であり、同時にまるで期待通りであったかのように。 「そーかい」 「そーですねぇ」 「わかった」 一体どういう意味の「わかった」なのか。 神の代理人を、まさに相応しい態度で名乗った男はむしろ満足げに呟き、三和土を立った。 挑発的な目で、見下ろす形になった店主へとにやりと笑う。 「じゃぁそっちに任せる」 「知らない、と申しましたが?」 「さて、な」 お前らがそれを解決するというのなら天界(こっち)は動かない。 店主の否定を男は最初っから信じず、全て真っ向から否定し、じゃぁな、帰りにどっかで味のあるコーヒーでも飲んでくわ、と言いながら本当に帰るために開けたばかりの戸に再び手をかける。 「こっちも色々、忙しい身なんでな」 説得力のないことを言いながら背を向けた男の後ろで、店主のついた息は硬かったが、それは来訪の時以上に、まるで計算尽くされたように大きく鳴った戸の軋みが飲み込んでしまった。 ・・・・・・・・・・・ SEANE:02 労働とは皮肉にも目分量でしか測れないものである。 四月一日は深いため息をひとつつきながら「雇い主」(現状ただ働きである以上、こういうべきかは大きく謎だが)の渡してきた地図入りのメモを頼りに道をたどっていた。 いつものように学校から直接「バイト?先」に向かうと、雇用者の友人だと紹介された謎のファンキー且つ奇怪な親父・・・しかも自称元神様って、なんじゃそりゃ?・・・との酒宴を楽しむため、酒を買って来い、と挨拶もそこそこに彼女はいつもの、それこそ神様然とした態度で「お仕事」をくださった。 酒なんて近所で、という正論は、しかしあそこは特別なのーwという説得力があるんだかないんだかわからない主張で一蹴された。 で、結局こうして歩いている。 そう複雑な道をたどったわけでもなかった。 ただ今しがた自分が後にしたはずの学校側へと続いている道というのが彼を憂鬱にさせてはいたが。 それでも結果として、目的の店は少年の目の前に鎮座している。 「浦原商店」 いかにも昔ながらの、なんでも取り揃えている雑貨屋・・・といってもいまどきの女性が喜んで足を踏み入れるような印象はかけらとなく、店主も一体どれほどの声を張り上げれば聞こえる相手だろうかと不安になる年の人間を勝手に想像してしまう、まさに「時際に取り残された」店というに相応しい概観だ。 しかも、戸が開いていない。 不安に顔をしかめるその仕草は当然だったが、まるでそれに呼応するように「じゃぁな」という言葉とともにその閉じていた入口が開放されたのは同時だった。 銀髪の男がそこにはいた。 胡散臭い雰囲気は今「ミセ」で騒いでいる来客とどっとこいどっこいだろうか。 無粋な無精ひげはともかく、メガネの奥の目はいくらか物騒な色を帯びていて、職業を当てろといわれたら軽く一時間は悩んだあとで敗北宣言をせざるを得ない。そんな「胡散臭い」人間だった。 しかし相手は、四月一日の姿を見るなりきつい目を一度しばたかせてから途端、妙に人懐こい様子に破顔してみせた。 その一瞬の仕草のあと、妙な安心感すら持たせる顔になるのには正直驚いた。 どちらが本当の顔なのか。 ためらう内に、その人物は今しがた自分が出てきた戸の奥へと声を上げた。 「うらはらぁ。客だぞ」 「えぇ?」 心持ふざけた声が聞こえてきて、これまたまったく別の意味で怪しい男が姿を現した。 「やぁやぁやぁ、いらっしゃいませ」 浦原。 店名がそのままであるなら、この男がこの店の店主だろうか? (大丈夫かよ?!) 先ほどの独走した年齢的な不安はさておいて、別の意味で大いに不安へと突き落とされるには十分な相手はしかし、ふざけた口調を隠そうともせずに「ゆーこさんから聞いてますよーちょぉーっとまっててくださいねぇ」と再び奥に引っ込んだ。 先客は既に帰路へと足を向けようとしていたようだったが、聞いた名なのか店主のその言葉に微かに眉をはねたようだった。 「なんだ、魔女のお使いか」 何気ないその呟きは、しかし四月一日を絶句させるには充分な意味を持っていた。 だが問いただすタイミングは、店主が持ってきた酒と男が去ってしまうのとに食われてしまい、まるで空気をつかんだかのような敗北感を彼に与えた。 それでも用件が消えるわけではない。 代金は月末まとめてもらうからいいという店主の言葉に頷き、「お使い」はあと帰還を残すのみとなった。 一升瓶4本という殆ど殺人的な重さのそれを手にため息をこぼしながら着た道をたどると、この町では珍しい関西訛りの会話が聞こえてきて、思わずすれ違う二人の同い年と思われる少年が歩いてくる。 めずらしいな、と思う。 浅黒い肌の健康的なのと、なぜか浴衣姿のと。 正直奇怪なことこの上ない外見もそんな下世話の要因のひとつだろうが、今の彼にはそれどころではない。 ジェラート財団。 タンティン。 こぼれ聞こえてきたそれらの単語は、彼が少しでも経済に興味を持っていたならば思わず振り返っていただろう。 だが、四月一日にはそんな他人の話題話より、どうせつくらされる酒の肴に何を用意するかというほうがずっと重要だった。 ・・・・・・・・・・・・ SEANE:03 彼らの会話は、一升瓶を何本も抱えた少年とすれ違うちょっと前、駅前での意外な再会?から始まった。 それはそうだ。 彼らにしてみれば、何千キロと離れた地区の同じ電車から、顔見知りが降りてくるなんてお互い想像だにしていなかったのだから。 「ってなんでお前さんがこないなとこおんねん、佐野」 「こないなとこっていわれても。しゃぁないやん。鈴子がこっちきとるっていう話で、森に呼ばれたんや」 向かう先がたまたま一緒の方向ということで、歩きながらの同級の服部の問いに、佐野は肩をすくめて答えた。 どこか面白がっているような雰囲気なのは神様を知っているリアリストだからこそのこの「運命的」な展開における皮肉だろう。 勿論そんな心情を知らない名探偵として有名な彼は、眉をひそめて自分に返ってきた言葉に首をかしげた。 「って固有名詞言われてもよぉわからんわ」 「そか?森はともかく鈴子・ジェラートって名前聞いてお前さんがわからんて話にはならんとおもうんけどなぁ?西の名探偵」 流石にその言葉の威力は大きかった。 ちょっとでもデータを集めることを日常として意識している人間なら、知らない名ではなかったからだ。 「ジェラート…って・・・ジェラート財団?! なんで一介の温泉おたくがそないなとこと脈あんねん?!」 「まぁ人徳や人徳」 服部の絶叫は当然のものだったが、佐野にしてみれば知り合った「仲間」がたまたまそんなお嬢だった、という逆説が働いている。 まぁ人徳、とは言ったが、正直その対象は自分よりも2つほど年下の少年だといえたこともあるのだが。 しかしてそれを見越したように、実際全国でも名の知られた高校生探偵はあからさまにまで顔をしかめて同級生に対しいっそ失礼とも言える言葉を言い放った。 「うわ、むっちゃ説得力ないやんな、それ」 「なにをぉ」 そうは言ったが、佐野とて知り合った経緯を説明しろといわれても困る。 いや、実際やましい点は何一つないのだが、真実自体がどこまでも荒唐無稽なのだから仕方がない。 「なんでもタンティン?タランチュラ?よぉわからんがどぞこのお偉いさんがするパーティに出る為に前倒しできたんやて」 「あぁ。タンティンの少女総帥さんが主催するゴルフの開催にかかわる奴やな」 「そうなん?そっちには興味ないからよぉわからんわ」 「ワイはそれの為にこっち来たさかい」 「なに?出んのか?服部も」 同様に「仲間」である森からの聞きかじり程度に過ぎない説明の復唱に対して、意外な言葉の返答に佐野は目を見張った。 驚きついでに対抗線側から歩いていた同い年程度のいやに地味な少年とすれ違い、ぶつかってしまう。 あわてて謝ると、相手も謝り返してきた。 その件はそれですんでしまい、彼らの記憶にも残らない。 もしかしたら相手も、形だけこそ謝罪したが、あまりぶつかったという事実を覚えていないのかもしれなかった。 そんなことよりもずっと興味深いのは、文字通りの「セレブパーティ」に出席なさるという名探偵殿のその目的だ。 「まぁ出る、とはいえへんかもな。一応・・・警備、や」 「探偵がなんで警備すんねん」 そっちこそよぉわからんわ。 そう声を上げると、あーまぁそうやなぁ、とお茶を濁すようなどこか面白がっているような言葉が返ってきた。 「まぁ、あれやな。それこそ転ばぬ先の杖、っちゅー奴や」 何かいいたげになった佐野は、しかし何度か頭をひねってから楽観的な結論に達した。 それこそ、自分がその場にいないことを残念がるかのように。 「うわ、まぁ鈴子もおるし、大丈夫やろ」 「なんの根拠や」 「いや。あいつんことはよぉしっとるからな」 だから、なんかあっても大丈夫なんや。 全く保証のないその言葉は、しかし妙に核心的で珍しく服部を戸惑わせた。 友人というからには心配するのが道理のはずなのに。 信頼? いや、それより。 まるで、全てを知っているかのようだ。 そんなことを、探偵らしくもなく、全く根拠のない直感だけで思った。 ・・・・・・・・・・・・・・・・ SEANE:04 「久しぶりですわね、ラミア」 「リンコこそ」 今回「大会」の主催されるゴルフ場が経営する最高級ホテルの一角。 最大の規模を持つパーティーホールは華やかの一言に尽きた。 その一角で、おたやかに着飾った少女たちのやりとりがほほえましく交わされる。 「元気だったか?」 とはいえ金髪の少女・・・このパーティの主催者なのだが・・・の口調は些か少年を思わせるあけすけなものだ。 対し、丁寧な口調を日常とする相手側は慣れているのかえぇ、と軽やかに笑う。 「それにしてもいきなり日本でゴルフの大会、なんて。 日本びいきなのは知っていたけど、どうされたの?」 「なに、ちょっと、な」 そういってにやり、と笑う彼女に、相手は深いため息をついた。 こういうときは何かをたくらんでいるときだ。 友人と呼べる程の交友は薄く、せいぜいが「社交界仲間」という立場だが、それでも近い年ということもあり、なにより古い付き合いだからよく知っている。 彼女が父親の主催したパーティをとんでもない悪戯で滅茶苦茶にしたのはほんの数年前なのだ。 もっとも、その時は色々と気持ちがささくれ立っていた身としては、痛快にして妙な開放感をもらったことを覚えている。 「今日の悪戯はないの?」 だからついそんなことを聞いてしまった。 主催者の少女は一瞬何のことだかわからなさそうに目をぱちくりさせたが、やがて自身の「前科」を思い出したのか、にやり、と笑った。 「実はひとつ。ただし、今回のは地味且つ、個人的な、な」 「?」 どういうことだろう? 首をかしげた招待客に、しかし彼女は答えなかった。 その代わり、まるでまぶしいものに出会ったかのように目を細め、知人にこういった。 「よくわからねぇけど、よかったな、リンコ」 「え?」 今度は立場が逆転した。 目をしばたかせた相手に、彼女は率直な言葉を重ねる。 「そんな風に、笑えるようになって」 にっ、と。それこそ何か「隠し玉」を見つけたときみたいな彼女の笑顔に、言われた側は泣きそうな嬉しさを覚えた。 知り合い程度だと思っていたはずの相手が、酷くいとおしい親友のように思えた。 彼女が自分を気にかけてくれていた。 かつて自分の殻に閉じこもる以外、呼吸すらできなかった頃の自分を、思っていてくれた人がいたこと。 そのことに素直に感謝できたのは、勿論、昨日も逢えた「仲間たち」がいたからだ。 うれしかった。 とても嬉しくて、ありがとう、と言葉を返した。 |
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