FATE BLAKER;






珍しくファンタジー仕様のパラレルです。
イメージはゲームで。


シネマティック・ロマンス・RPG
一応キャッチフレーズは

「神様の願いをかなえるRPG」


需要なんかどうでもいいです。
バトル万歳。でも戦争嫌いな私です。
拳じゃない喧嘩に興味はありません(ちょっと待て
いや、得物系も好きなんだけど(誰も聞いてない


こんな感じ(とりあえずPV仕様)

===============

背景:血で濡れたような赤い夕焼け
字幕:「無力な神が、投じた一石。
    それは、聖魔の戦いが終結へと向かう為に」

神(犬)正面画
強い目線と唇を食む、泣きそうな表情。

「歴史が悪夢を終らせないというのなら、その用意された未来を描いた書物を焼き捨てましょう。
新しい歴史を、無理矢理にでも始めるための、露払いを」

voice(=v)はカットイン時台詞
柱言葉は作中の通り名(ちょっと待て
柱台詞は作中で口にする台詞(だからちょっと待て
バトルはリアルタイムコマンド入力タイプ(テイルズ系)
ゲージMAXで超必。で、
カットイン台詞が入る(バトルシーンカットイン=BSCI)
立ち絵はいわゆるキャラ紹介のアレ。
( )内のものは主要(専門)武器。


バトルシーンカットイン(小林必殺技)
 voice
「選んだ道に迷いはねぇ!邪魔をするならその礎となれ!」

小林立ち絵(日本刀)
柱文字(横書)「銀の神喰い(ワールド・イーター)」
柱台詞(縦書)「貫けるものがある幸福を、俺はあいつを想うことで証明する!」


BSCI(植木)
 v
「俺の正義はここにある!そのためなら戦える!」

植木立ち絵(片刃西洋剣)
柱文字 「神の涙に育つ若木の剣(ミステルテイン)」
柱台詞 「俺は、この戦争を終らせたいっていう願いを正義だって感じた。それだけだ」


BSCI(三志郎)

 v
「・・・・・ッ、俺は、自由の為にっ」

三志郎立ち絵(大型銃剣)
柱文字 「神の右腕が翻す剣」
柱言葉 「俺・・・本当は不壊と旅がしたい。世界が見たい、ふたりで」

BSCI(不壊)

 v
「兄ちゃんの鎖を断ち切るためなら・・・」

不壊立ち絵(戦輪)
柱文字 「黄昏に嗤う影」
柱言葉 「戦いなんかに興味はねぇ。あるのは、兄ちゃんと観る世界だ」

BSCI(赤野)

 v
「・・・・・・・ただ、守りたい。俺が戦う理由はそれだけだ」

拓さん立ち絵(グローブ)
柱文字 「深緑の炎をその身に纏う者」
柱台詞 「俺は・・・ダンドーの為に生きたい」

BSCI(ダンドー)

 v
「この戦いに意味があるか分からない、けど・・・
大切な人が傷つくのが、俺はいやとよ・・・」

ダンドー立ち絵(おたま)
柱文字 「"物語"を終らせる鍵」
柱言葉 「俺の細胞一つ一つが拓さんの・・・ために・・・」



バトルシーン(通常)数カット
スチル+キャラ立ち絵(バックはスチル

佐野(ブーメラン)

柱文字 「神の涙を受ける聖杯」
柱言葉 「俺は守るためにここにおるんや!」

鈴子(銃)
柱文字 「真なる拳聖」
柱言葉 「黙れケダモノ」


バトル無サブキャラ立ち絵(同バックスチル

現神(犬)
「お願いします・・・僕を、裏切ってください」

ヒデヨシ
「本当のことと必要なことがイコールとは限らない、ってな。
 "嘘"は俺の得意分野だぜ」

テンコ
「必要な物語だと、そういうのなら・・・」


イベントスチル
(主題歌BGM)

 きみどり「考えたことはある?この戦いの忌みを」

煽り風→青空から夕日へ

不壊と三志郎(向かい合って、息が掛かるほどの距離で見詰め合って)

「なんとも威勢のいい兄ちゃんだ」
「お前、影の存在だろう?なんで・・・」
「生憎おれぁ戦いなんかに用はない。
血の赤より、黄昏のそれの方が、ずっと美しいと想う・・・
そうさな。"カワリモノ"なのさ」
「・・・・・・・俺は・・・」
「ん?」
「俺は、朝日の方がすき、だ。
始まる、あの強い日差しが」
「そーかい。気があうねぇ」
「ちがうだろっ?!」
「血より、戦より。惹かれるものがあるってなぁ、そうじゃないかい?」


 森「誰かを傷つけるいことの意味なんて求めないで。
   優しい子を泣かせるだけなんだもの・・・」

教会 十字架の前にダンドー
   振り返り、立ち上がり、そして、こちらに笑顔

「大丈夫と?」
「怪我なんて日常茶飯事だ」
「でも・・ッ」
「大丈夫だから。お前が傷つくより、俺はずっといい」
「俺は・・・拓さんの傷が、いや」
「ダンドー・・・駄目だ」
「・・・・・・・でも」

「お前のその力は、俺なんかに使っては駄目だよ」
「でも俺は、拓さんに一番使いたいとよっ」


戦のスチル
鎧を纏った小林と植木

「聞け!本日この時を以って神軍独立騎士団長小林は神軍を離脱!
神に敵対し、魔の守護を宣言する!」
「同、副団長植木、団長の下にその剣を預ける!!」

佐野
「・・・・・どないな三文芝居やっ
神を最も信頼する二人やで!神が最も信頼する二人や!
謀反ではない謀反・・・一体ワンコ、あいつなにを考えてっ」



犬丸
「・・・・・・・完璧なる運命(アカシックレコード)を焼き捨てるために」


二つの出会い
一つの離別
生まれる共通の願いは、神の抱く祈り

神すら凌駕する「宿命(理)」が終焉を迎える為に・・・

ナレ(森)
「神様の願いをかなえるRPG。
"FATE BLAKER" 200×年春、発売予定」




=========
嘘ですよ?(わかってるよ


story;

天界と魔界は果てない戦を繰り返す。
世代を隔て、神々はそれを終らせる術を模索し続けたが答えを出すことは出来ず。
そして現神、犬丸は最も信頼する人物とその恋人に決断を預ける。

「僕を・・・裏切ってください」

神の願いを正確に理解し、彼らはレジスタンスとして離反する・・・


神の右腕が翻す剣の異称を持つ天界の撃墜王(エース)・三志郎。
彼はある日、その実力を持ちながら戦うことを拒否する影の妖、不壊と出会う。

「考えたことなかった。こんな世界じゃないなら、俺はなにをしているのか」

二人で生きる未来を手に入れる為、少年は剣の意味を考え始め、そこで新たな道を選んだ人々に出会う・・・


魔に属するその男は傷ついていた。
知らぬ間に、人の世界に堕ちていた。
男は当たり前に治療をしている教会で、聖と魔の戦を知る少女に出会い、彼女が護る一人の子どもに出会う。
この戦を左右しかねない、「癒し手」を持つ彼が、男を救ったと少女に聞く。

「俺は・・・ダンドーの為以外に、多分もう戦えない」

そしてその護りたいと想う存在を「利用」しようとする聖魔双方から救うため、男の選んだ道は・・・


3つの道が重なるとき、戦いの歴史が描かれたアカシック・レコードは炎に包まれる・・・


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 通り名が隠しページのものと異なりますが
 「これまで」のものです。
 紹介のはあくまでも「第3勢力」としての通り名。
 三志郎は微妙に違うけど。




 拓弾:出会い編(拓弾→+コバ植。と、森ちゃん
===


目が覚めると、そこはベットの上だった。
がちゃり。
ドアの音。
普段なら緊張と殺意を膨らませるが、何故かそういう気にはなれなかった。
その自分に戸惑ううちに、その姿は現れた。

少年だ。
ほそっこい、優しい目をした。

「ぁ・・・」

呟いた声が酷く頼りなく融ける。
びくり、と肩をすくめ、自分が彼を驚かせてしまったことに酷く動揺したが、彼はそのまま近づいてきた。

「・・?」
「大丈夫と?」
「え?あぁ」
「よかった」

安心しながら、少年はそっとその小さな手を伸ばしてきた。
純粋な人の子のそれに、今度はこちらが動揺する。

「ぁ・・・」
「ほんと、よか・・」
「ダンドー」

今にも泣きそうなほど穏やかに、そう呟いた少年に声が掛かる。
再び見たドアのところには、シスター姿の少女。

「あ、森」
「駄目よ」
「でも・・・」

「ダンドー」

短く不可解な言葉。
しかして少年はす、っと離れていく。

「台所におかゆがあるの。とってきてもらえる?」
「んっ!」

素直でよろしいと少女が微笑み、少年も部屋を出た。
どう考えてもこの場合「おかゆ」は自分のためだろうか?
それを判断すると、妙な照れくささを覚えた。

「あの・・・」
「大丈夫でしょう?あの子が拾ってきたんだから」
「ひろって・・て」

いわれて気がつく。
自分は怪我をして、それで逃げてきて・・・

・・・・・・・・・・・・なぜ"大丈夫"なんだ?

「あんまり深く考えないほうがいいわよ。
そのまま、居るべきところに帰って。
ここは・・・あんたらみたいな喧嘩屋のいるとこじゃないの」




小さな教会だった。
翌日、2度目の目覚めには既に体の調子は悪くない。
あの我の強そうなシスターに暇を告げようと歩き回った結果、できた判断は簡単なものだった。

(・・・・・・敵の領域で救われるたぁな)

男、赤野はそう想って苦く笑った。
そう、敵。
ここに居る原因は、「教会」という場所が奉っている存在に従う者たちとの戦い。
自分は、生まれたときからそれらと敵対するためだけにある存在。
もっとも、人の創ったここにある教えとは、いくらか違うのも知っていたが。

あの少女はそれがまるで分かっているようだった。
だからこそ、救うことはしても、詳しいことを聞こうとはしていない。そんな風に感じた。

「・・・・・・・・あの」
「え?あぁ・・・」

別に、声などかけなくてもいいことを、赤野はふと気がついた。
勝手に姿を消したとて、彼女はそれをむしろ期待していたのではないだろうか?

(俺が、捜してたのは・・・)
「もう、大丈夫と?」
「あぁ。助けてくれたんだってな。すまなかった」

感謝の言葉になれていないように、自分の背から控えめに声をかけてきた少年は頬を染めて首を振った。
赤野の心に、今までにない感情がふわりと積もっていく。
不思議なことに、この小さなもろい「人間」に、救われていると強く感じた。

「・・・・・・・ダンドー、だったか」

少女が呼んだ名前を、確かめるように口にした。
ふいに、それを耳にした少年の顔が、花が咲くようにほころび、笑顔を作る。

「はい」
「あの・・」

名を呼び、その次をどうするつもりだったのか。
言葉をつまらせた赤野を遮るように、当初捜していた少女の声がいきなり大きく響いた。
ただし、彼らに対してではなく。

「馬鹿無茶にも程があるわよあんたらぁあああああ!」

出鼻をくじかれた二人は、顔を見合わせてた。
そしてほとんど同時にその声の元に駆け出す。

果たして玄関先では、少女の後姿と共に、彼女に怒られた想わぬ姿が対峙していた。

「っ?!」

赤野は反射、玄関の見える廊下から曲がり先に引っ込む。
間違いのない核心に、言葉を失った。

「・・・・・・・・・なんで、連中がここにいる?」

それは彼の戦場にて「敵」の指揮を執る二人。
軽甲冑姿しか知らず、今こそ、この世界にあわせた姿をしているが、間違えようもない。

「あれ?こーすけに、コバのおじさん・・」

緊張に身を固めた男の呟きに反し、不思議そうで、しかし親しげな少年の声が場違いにそこに反響し、警戒なく足が進んでいく。

「あ。ダンドー」
「よぉ」
「久しぶり〜どないしたん?」
「ん。今日から世話になる」
「ほんと?じゃぁ歓迎会で今夜はご馳走とねw」
「っていうか、ちょっと。
なにさらっと確定してるの?!家の主は私よ、あんたら」
「おぅ」
「よろしくな、森」
「よろしくって・・・ちょっと待ってて・・・」
「え」

少女が走ってくる。
それはもう、つっこんでくる、といったほうが正しい勢いで。
ぐい、と目があったと思う途端に引っ張られたのは耳。
そこにあせった声がつっこまれる。

「・・・っ、て」
「あれが誰だかわかるでしょ?早く行きなさい」
「逃がすのか?」

少し、驚いた。

「ダンドーが助けた相手なんだから、当たり前でしょ」
「すげぇ理由だな」
「私にはそれで充分よ」


「で、どうしたん?耕助にコバのおじさん」
「あぁ。天界裏切ってきたから、隠れさせて?」
「そうなんと。お疲れ様」
「あぁ。そーなんだ」

・・・・・・・・・・・

「ってそれで話がおわるのかよ?!」
「っちゃぁ、ばっか!」

突っ込まざるを得なかった。
勿論、みつかるわけだが。

「・・・・・・・・あれ?」
「あ。どっかで見た顔だな。お前さん」
「げ」

まずい。
それだけは確かだ。

「じゃ、おれはこれで・・」
「ぁ・・・」
「ちょっと待てよ、"緑の炎(sunbeams)"」
「・・・・・"銀の雷鳴(Brionac)"」
「もう引退したから、その通り名もねぇけどな」
「引退って・・・いうのか?さっきのも」
「あ?あぁ、大丈夫だ」
「犬のオッサンは承知してるし」

「それがおかしいのよ。
っていうか、第3勢力が二人とかって意味がよくわかんないんだけど・・・」
「だって佐野にあいつを裏切れると想うか?
たとえ形だけでも、だ」
「無理ね」

佐野、とは佐野清一郎だろうか?
神の涙を受ける聖杯の二つ名を持つ、神の側近。

「なんだか酷く耳にすると困る内容くさいな。
本当にオレは暇させてもら・・・」
「帰ると?」
「あ。あぁ」

どこに?
ふと一瞬、浮かんだ疑問を飲み込むタイミングで、シャツを握られる。
少し潤んだ瞳と目が合う。

「また、怪我するとね」
「・・・・・・・そういう仕事だからな」
「・・・・・・・・・」
「なんなんだ?お前」
「・・・・・」

当たり前のコトに、何故自分ではないこの少年が傷つくのだろう。
声を上げると、あきれた少女の声。

「助けた人間が、怪我をすれば切なくなって当たり前でしょ?」
「・・・・・・」

今度は、小林が目を丸くする。

「ダンドーが助けたのか?」
「やって」
「・・・・・ふぅん?」

納得したような、不思議そうであるような。
言い訳にもならないような小さな呟きのを受けた、銀の髪の彼が出す結論は。

「森。お茶」
「あぁ?!あんたなにさ・・」

「小林様だ」
「・・・・・・・・・・」

「オレいれるとねっ」
「いーんだ、ダンドー。お前はこいつ捕まえてろ」
「・・・・・・・え・・?」

「どういうつもりだ?」
「ほら、話を聞いちまったからなぁ?」
「聞かなかったことにしておくぜ」
「生憎、トップシークレットなんでな」

そのトップシークレットを軒先で暢気に話すんじゃない。




 唐突に 不壊三サイド
=========


宿舎に帰ってきたら、大騒ぎだった。
・・・・・・どうしたんだ、と聞く前に、アキが飛び込んでくる。

「三志郎、あんたどこでなにしてたのよ?!」
「どこでなにって、休みの日になにしてても・・」

一瞬、ばれたのかとおもった。
別に、「敵」だからってみつけたら殺せ、なんて教育を受けていたわけでもないのだけれど・・・
どきまぎしている間に、ウワサ好きの同僚は勝手に状況を説明してくれた。

「神直属軍の"Brionac"と"親友の剣(Hauteclaire)"が謀反宣言して離脱しちゃったのよ!」
「えぇええええ?!」

さすがに予想外の話だ。
通り名"Brionac"、"Hauteclaire"のコンビといえば、本当に神様の側近以上の存在で、いつだって戦場で先陣を伐っていた最強の二人だ。
いや、そんなことより。
・・・・・・・俺に、なんにも言わないで・・・、なんで・・・

「な、なんで?」
「それがわかってたら、この騒ぎ、終ってると想わない?」

・・・・・・・・ごもっとも。



「どうしたい?兄ちゃん」

逢瀬
休みの度の。
あぁでも相手に休みはないから、
・・・・・・・ちょっと違う?
むしろ違う。
っていうか、そんなんというか、そーいうんじゃなくって。
ただ、こいつと「逢う」のは結局、人の界だった。
特に何をするでもないけれど、ぶらぶらと人の街をみてまわる。
戦に疎遠ではない世界の中で、疎遠な国にある町並みは、いつでも緩やかに自分たちを迎えて、隠してくれるから。

「んー。俺がなにかあったってわけじゃねぇんだけどさ」
「あん?」
「不壊は聞いてる?その。」

言いかけて、これはもしかしていわゆるトップシークレットという奴じゃないかと気がついた。
勿論、不壊がそれを「向こう」に流すはずがない。
それはわかっている。
彼はカワリモノで、軍には属していない。
だから・・・あっている、のだから。

(・・・・・じゃぁ、不壊が軍に入ってたら・・)

「まぁいいけどな」
「・・・・あ、う、ん・・」
「折角俺と逢ってるんだから、他のコトなんか考えるなよ」
「へ?やっ、馬鹿っ、そんなんじゃ・・・っ」

「あれ?三志郎」
「へ?」

照れくささに体を竦め、俯いた途端。
件の「考えていた人」の、びっくりするくらい暢気な声が耳に届く。
顔を上げると、予想通り・・・、の。

「耕にぃいいい?!」
「お?なんだ。ほんとにちみっこじゃねぇか」
「こっ、こここここここ」
「鶏?」
「いや、びっくりしすぎてるんだろ」

そりゃそうだ。
そりゃそうでしょう!
なんで謀反起こした、いわばテロリストが人界で暢気に買い物袋吊り下げて空いた手繋いで歩いてるわけ?!
いや、それより、っ、え、っと・・・

「「・・・・・・・・なんでお前、不壊と一緒にいるんだ?」」

・・・・・・・・・・・・・・・文字通り、頭に血が上った。
そのまま回れ右。
ダッシュでその場から離れるしか選択肢はなく。


どうして二人が、不壊のことを知っているのかと、疑問に思うのも随分あとだった。





宿舎は今日も騒然としていた。
それはそうだ。
「神の涙を受ける聖杯(Holy Chalice)」こと佐野清一郎が唐突に突進してきたのだから。

「多聞三志郎ってのは?」
「え?部屋に」
「あんがとさん」

短い応酬のあと、部屋の番号も確認せずに佐野は廊下を横切る。
そして閉ざされた(ここは一人部屋だ)扉を、唐突にけり開ける。

暗いままの部屋。奥に在るベットの更に奥、壁際に張り付いていた少年が、予想外の衝撃音に目を丸くして明るい廊下に立つ人影を眺める。

「・・・・・・ふぇ?」
「・・・・・・・・・来てもらうで」

きょとん、としている目元が赤い。
それが分かっていながら、佐野はずかずかと部屋に押し入り、その手を取ってひっぱり、廊下へと引っ張っていく。

「え?なん、で・・・」
「見られてもうたようやからな」

ぼそり。
小さな呟きに言葉を詰める。
ひっぱられたまま、その引っ張っている人物が、寮長に向かって「こいつ今日から直属やから」と言っているのが聞こえた。





「・・・・・・・」

その軍に属しているからと言って、統治者たるトップに、下っ端が逢えるはずがない。
筈がないのに、目の前に居るのは、その「トップ」たる現神だった。

「・・・・・・・・・・・・え?」

未だ自体が理解できず、三志郎はとにかくその琥珀色の目を何度も瞬いた。
その目の前で、その人が優しく微笑む。

「よく来てくれました、多聞三志郎くん」
「・・・・・は、はひっ」
「あぁ、硬くならないでください。
まぁ、来ていただいた理由を考えれば、少し難しい気がしますけど・・・」
「あの、俺、直属って・・・」

「小林さんから連絡がありました」

ぞくり。
言葉を失った。
だって、それは。
いや、でも。

「俺・・・」
「小林さんたちの潜伏先はトップシークレットです」
「・・・・・・・・ぁ・・・?」
「で、黙ってて欲しい人は、"中立"、というより"無関係"とはいえ向こうの人との付き合いがあるようです」
「ッ」

「する選択は、結局決まっちゃうんです」





「神の直属になる」

そう一言で確定し、半ば浚われた三志郎に、周囲は出世だと騒いだが、当然彼の置かれている状況はそんなかわいいものではない。

「君には、僕の"右腕が翻す剣"になってもらいます」
「え?」

断る言葉は持っていない。
それでも、意図が分からずに間の抜けた声を上げた三志郎に、神は緩く微笑む。

「君にも、一枚噛んでもらいますよ、三志郎くん」
「一枚、って」

「この、戦いを終らせるための茶番劇に、や」

今まで黙っていた「神の傍ら」がぽつり、と苦りきった顔で告げた。
語る自身、不本意そうだ。

「・・・・・でも、おれ・・」
「うん。不壊さんと仲良しなんですよね?」
「なかよしって?!なかよよよおよぉお?!」
「おちつけ、って。ちみっこ。
なぁ、ワンコ。えぇの?これ」

なんや、素養外の反応やけど。

「むしろ都合がいいんです。
"彼"なら・・・・あのことも連絡がつきそうですし」
「わけ、わかんね・・あ、です。あれ?」
「いいですよ。敬語なんか。
君は強引ですけど、仲間になってもらうんですから」
「なか、ま、って」

「それが僕の選択です。
"アカシックレコード"に記された、永遠の天と魔の戦の終焉。
そのための、一大詐欺の、です」

「ぁ・・・・・?」

意味が分からず。ぽかん、となっている少年に、どこか困ったような、自分でも想像するのが難しそうな、その声。

「なぁ、多聞三志郎。
お前さん、戦いがなかったら、どこでなにしとったかって、想ったことあらへんか?」




 唐突にレジスタンス組
=========


「というわけで、無事三志郎は人質にできたそーだ」

「犬のおっさん?」
「あぁ」
「・・・・・・・・・・無事だぁ?」
「おぉ、こわ。冗談に決まってるだろ?あくまで保護だ。
お前とはいえ敵対組織の人間と仲良くしてたとばれたらあいつさんとはいえ傷つくからな」
「・・・・・・それが、よくわからねぇな、小林の旦那。
何をする気だ?っていうか、兄ちゃんと知り合いなのか?」
「兄ちゃんて三志郎のこと?
よく士官学校時代にサボる場所が一緒だった」
「・・・・・・・・」
「困らされたよなぁ。俺は」
「そうなのか?そっこー居場所ばれてた気がするけど」
「お前のことだからな」
「そうなんだ」
「はいはい。話が進まないから、あんたら」
「はぁい」
「で、俺たちはあくまで神の敵、だ」
「・・・・・・・・・・・今携帯で仲良く会話してた相手は誰だってんだ」
「まぁ、つまりそういうことだ。」
「・・・・・・」

「ってわけで。手を組んでもらうぜ、"黄昏に嗤う影(トワイライト)"」
「とんでもネェ不運に見舞われたな、俺も」
「そんなことないぞ」
「え?」

「三志郎を護ることに、不壊はイヤだって顔してないからな」

「勝てないネェ?"Hauteclaire"」
「んー。その通り名もどうしようかなぁ。
俺、一応犬のおっさん裏切ったわけだし、コバセンも」
「まぁなぁ。だが通り名なんて周りがつけるもんだ。
放っておけ」

「話は終ったか?」
「ごはんのしたくできたとよ〜」

「・・・・・・・・・・・改めておれぁもう一つ聞きたいんだがね」
「すごく分かってるけどよ。黙ってろ、変わりモン」
「お前さんだってカワリモノだろぅ?
なにやってんだい、脱走兵が」

「ピカタつくってたとよw」
「・・・・まぁ、そういうことだ」
「・・・・・・とんでもないねぇ?気に入るぜ、ここ」
「だろ?」


「・・・・・・・・ってまた居候が増えるのぉおお?!」
「うん」




 少し、あと。いや、前か。
 拓さんがこの組織に所属するきっかけ
===========


神が聞いていなくても、祈る。
聞いていないことを、知っていて、祈る。
その心理を、赤野はよくわからない。

「ダンドー」
「あ。拓さん」

教会の深部。
月明かりを受けたステンドグラスに彩られた祈りの場所で、彼の小さな背中に声を掛ける。
振り返り、みせる笑顔が恋しいと、いつから思うようになったのだろう?

「もう寝ろよ」
「そんな時間と?」
「あぁ」

一歩。近づく。
ざぁ、と、外の風がざわめくのが聞こえた。

「探しに来てくれたと?」
「・・・・あぁ」

一人でいさせていると、危険な子ども。
優しすぎて、自分の隠すべき「能力」を平気でつかってしまうから。

「戻るぞ、ダンドー」
「・・・・・ン・・」

指し伸ばした手に、小さな手がそっと重なった。

暖かいと想った。
宿命より、もっといろいろなものを掴ませたいと願った。

「ダンドー」
「なぁに?拓さん」
「頼みがある」
「俺が拓さんにできることなら、なんでも」

神だの魔だの、どうでもいいと思った。
握り締めた手は、脆く、心地よい。

「お前を、護るための戦いを許してほしい」

見開かれた綺麗な瞳に、答えられる前に誓いのキスを落としたが、そこに生まれた沈黙の後、小さな体はふいに沈黙の中で翻った。





「なんでダンドーないてるの?」
「・・・俺が、泣かせたのかな」
「どうして?」

五月蝿くて寝れないじゃない。
文句や批難というそれではない。
静かに、ゆるく。
そういいながらライニングテーブルの椅子に座る森に、本当に自然に、赤野は珈琲を入れてやる。
既に自分が傾けていたそれからは、熱の証は見えない。

「・・・・・・・護りたいと思ったんだ」
「・・・・・」
「護らせてくれといった。
護るために、戦いたいと」

ふぅ。
彼女がため息をつく。
想像通り、とも言いたげだったし、逆にあきれたようでもあった。

「あの子が、戦いを嫌うのも、分かってて?」
「あぁ」

だが、戦わないと、あの子どもは護れない。
隠れていられるのも限界だろう。
おそらく、天も魔も、彼を捜し始める。

この戦いの鍵そのもの。
戦いを終らせるためにも。
・・・・・・続けさせるためにも意味を持つ存在。
・・・・・・・・・・そんなことは、関係ない。

「それでも」
「・・・・・・・・」

「俺はあいつを傷つけるもの全てから、あいつを護りたい」

護りたいと自分から初めて望んだ相手。
ある事実はそれだけ。

「・・・・・・・なら。」
「え?」
「なら、貴方が傷つかないことよ。
それがあの子が一番護りたいものなんだから」

「・・・・・・」
「返事は?」
「難しい話だ」
「そうね」

珈琲に、ミルクを落とす。
混ざっていく、黒と白。
まるでいまの、この教会のよう。

「ほんと、これが分けられるような時間は、とっくにすぎているんだもの」

しばらく沈黙のあと、森が再び口を開く。

「あのこの能力って、決して最初からあったものではないの」
「・・・・」

「あの子の能力が開花したのは、助けられないケースに遭遇したとき」
「ダンドーの、例の・・・治癒能力か?」
「えぇ。この教会の、前の持ち主のね、最初ダンドーと・・・あと二人くらい、引き取ってた人が病気で倒れて」
「あと、二人?」
「うん。
・・・・・二人とも、ダンドーの為に、ダンドーのそばから離れたわ」
「・・・・・・」

「あの子の治癒能力は命を削って作用する能力。
大切な人の傷は、ほとんど無意識にでも咄嗟にでも、治そうとしてしまう」
「・・・・・あいつを生かすためには、自分たちが傷つかない・・・ひいては、目にとどまらなければ、ってことか?
極端だな」
「酷いでしょう?でも、新庄さん・・・前の教会と能力の持ち主で、ダンドーの育ての親ね?彼があの子の癒しの能力では助からない病で死んでから、無作為って言っていいほどだったわ」
「森、お前さんはいつから・・・」
「私の話じゃないわよ。今は」
「謎の女って?」
「そ」

似合うでしょう?
そういう話のときだろうか?今は。
いや。それより。

「俺が傷つけば、あいつも」
「そうよ。だから、絶対。
完璧な形で・・・、生き残る覚悟がないなら、あの子を護るなんて絵空事口にしないで」
「・・・・・」

「人を愛しちゃいけない子じゃないの。
愛されるべき子で、それ以上に愛する子。
だから・・・・・・護りたいのよ。間違った選択をしても」


・・・・・・・・
 どーしてこの位置をラミアにしなかったのか(今更
 でも突っ込みは森ちゃんなんだ、どうしてもorz




 コバ植+森ちゃん。過去+設定話
===========


「はじめまして。え、と」
「植木耕助。コバセンの相棒だっ」
「そう。私は森あい。
コバセンとは・・・まぁ腐れ縁?」
「そーだな」
「・・・・・・・」
「やだ。そんな警戒しないでよ。
少なくとも私はコレに興味はないわよ、あんたと同じ意味では」
「そうなのか」
「うっわ。素直〜」
「んー」
「あ、ごめん。
えっと、森は、記録者の一族なんだよな」
「そうよ。
この"戦い"についての全てを、おぼえていく語り部。
何百という数の一族の記憶を、全部引き継いでる」
「・・・・・じゃぁ」
「え?」
「"森の記憶"はどこにあるんだ」
「さぁ?」
「・・・・・」

「でも、この戦いが終れば」
「・・・・・・・」
「終ればいいのにな」
「あんた、軍人がそれいっちゃぁ」
「でも、そう想ってる。俺も」
「・・・・・そっか」

「・・・・・・・・」
「コバセン?」
「どーしたの」
「いや」

「いや。本当に、な。
終ればいいのにな、こんな戦い」


========
 というわけで。
 こいつらとなら、裏切れるかもしれない、
 と想うコバセン、という展開(わかりずらい




 それでも続く、逢瀬。不壊三。
 そして彼も、また。
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「なぁ、不壊」
「あん?」
「俺の今の立場って、なんなんだろ?」
「さぁて?小林の旦那は兄ちゃんを人質だって言ってたけどなぁ」
「でも、全然監視されてないし。
結局・・・俺、不壊にあってるし」
「あぁ」
「っていうか・・・
コバセンたちの・・・目的って」
「そうだなぁ」
「不壊知ってるんだろ?」
「知ってるというか、知らされたというか」
「ふにゃ?」

「兄ちゃんは、この戦いが終ったら、どうしたい?」
「・・・・・・・・え?」
「おれぁ、兄ちゃんと、そりゃぁ、色々なところにいってみてぇと想ってるんだ。
旅がしてぇ」
「・・・・・たび?」
「まぁ、これぁ俺の希望だがね」
「それが・・・、なんなんだよ」
「なに」

「その願いが叶うなら、この戦いを終らせるための革命も、わるかねぇと想ってなぁ」





 多分、中盤あたり。
・・・・・

「おひさしゅぅ、植木、小林の旦那」
「あ。佐野」
「よぅ、元気でやってっか?」
「なんとかな。
どっかの謎の連中が次々戦場で暴れまくってるもんだから、情報部と作戦部がなげいとるで」
「淀川とマーガレットか?同情する気は一切ねぇな」
「つっめたいなぁ」
「なら黙ってるなよ、側近殿」
「さぁ?いったやろ、謎の連中やて。
俺は知らんもん、連中の正体」
「そーかい」

「あら、佐野」
「・・・・・・・・・・・・・・・・森」
「お久しぶり。丁度ごはんなんだけど、食べてく?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・森の、やん?」
「生憎、私じゃないわよ」
「ほな」
「素直ね?!」
「まぁ、命は欲しい」

「ってわけで、一人増えるわよ」
「ずっと?」
「今日だけ」
「はぁい。だって、拓さん」
「あー?じゃぁ魚足りねぇじゃねぇか。
一口サイズにしてあんかけにするかな」
「じゃぁスープも中華にするとね。
サラダどうする?」
「ごま油落とすとそれっぽくなるぜ。
塩の代わりに醤油で」
「わかったー」

「・・・・・・あんなぁ、小林の旦那」
「コメントするなよ?」
「いや、やって戦場では鬼とまで呼ばれた男やんなぁ?あれ」
「あれいうな。赤野のおっちゃんに失礼だぞ、佐野」
「いやいやいや」



・・・・・・・・・・
 基本料理担当に拓弾組
 どんな萌えだ


==


「・・・・・・・よぉ」
「はじめまして。というべきかな」

「・・・・森?」
「・・・・・・・・・・・間違い、ないわ」
「あん?」
「私の"記憶"が言ってる。
本当に、何回かしかあってないけど・・・間違いない。
"防人"の・・・」
「アカシックレコードの」
「防人・・・っ」

「あぁ。レコーダーの子がいたんだ。
それじゃぁバレちゃうよねぇ。
どーも」

「・・・・・・"アノン"」
「あぁ。ちゃんと名乗ろうとおもってたのに」
「・・・・植木、コバセン。逃げ・・」

「駄目だよ」

「っ」
「ねぇ、お嬢さん。
君がレコーダーなら、僕たち防人も仕事も知ってるよね?」
「・・・・・・っ、逃げてっ!」

・・・・・・・ダンドー、とは辛うじて飲み込んだ。

・・・・・・・・
 すごくキー話(笑




「ダンドーの力はね。本気になれば、人を生き返らせることすら出来る」
「・・・・神にすら、叶わない領域だぞ。それは」
「そうよ。だから天も魔もアノ子を狙う。鍵として」
「アカシックレコードを破壊できる・・・
・・・フェイトブレイカーは、あいつなのか」
「それは。違う」
「・・・・・?」

「ダンドー自身は、その資格を持ってないの。
あの子が、アカシックレコードにそむいて生き返らせた存在。
黄泉返った者こそ、アカシックレコードを破壊する、フェイトブレイカーたる資格を得る・・・」
「・・・・・・・ッ」
「犬丸がコバセンや植木をつけたのはそのためよ。
あいつらは絶対、そんな"ルール"すら、FATE BLAKERという存在すら凌駕する。
そう、信じているから、敵になることを望んだ」
「ダンドーを、救うために?」
「そうよ、コバセンや植木と同じように。
用意されたダンドーすら守り通して。
あんたがならなきゃいけないのは、それよ、赤野さん」
「・・・・・責任重大だな」
「・・・・・・その通りなんだから」



 いきなり日常パート
==========

「あんたたち、掃除担当ね」
「安い居候賃だな」
「折れてやってんのよ、こっちが。返事は?」
「yes,sir?」
「あんたらの組織のトップになったつもりはからっきしないんだけど?!」
「いよぅ、なんじゃぁ、平和しとるのぉ」
「げ」
「あ、元神のじーちゃん」
「まぁ、レアな光景じゃ。あの天下の小林が庭掃除たぁ」
「わるかねぇぜ?こういうのも」
「お?予想外じゃな」
「植木とやってるからな」
「・・・・・相変わらずじゃなぁ」
「好きに言ってろ」



 どうみてもトップは森ちゃんです。
 ほんとうにありがとうございまsr



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「戦争を止めるための具体的な手段?」
「あぁ。あるから動いてるんだろう?
アカシックレコードへのアクセスなんて神の向こうにある奇跡だ。しかも、やろうとしているのはそのものの焼き捨てなんだろう?」
「うん」
「だから、手段があるから態々動いているんだろう?
地の上も、天の上も戦いを終らせたいのが事実。
それなのに、払えない小さな事件らが延々と続き、戦の火種は払いきれない。
そのきっかけだ」
「・・・・・・・・・・武力介入?」
「はぁ?」
「いや、そんなつもりじゃないんだが、最初はそうなるだろうな。
戦うことになるとおもう。
ただし、武器を壊すのが目的だ。相手は一切傷つけない」
「そんなのでいいのか?」
「あぁ。最初はな。
死ぬはずだった人間が、死ななければいいんだ」
「・・・・・・・・?」

「おそらく、連中が動く」
「連中?」
「お前さんなら知っているだろう?黄昏に嗤う影。
あの図書館の、司書連中さ」
「・・・・・・・防人」

「そいつらは、確実に叩く」
「それで"図書館"に直接踏み込むって?
なんともまた」
「夢見がちな難易度の高い目標だろう?
だが、俺らには丁度いい」
「・・・・・・・・・・」

「本当は、高々落書きに、誰一人従わないようになればそれでいいんだけどな」



「魔」側最高権力者
============


「こんにちわ」
「こんにちわ」

少女が立っていた。
この雨空の下、はっとするほど鮮やかな新緑色のレインコートと、赤いかさ。ちょこん、とした黄色い長靴。
小さな声を発した唇はあいらしくぷっくりと。
どこか夜闇を思わせる髪は綺麗に切りそろえられ。

「あの」

ここは教会だ。
だから、色々な理由で訪れる人がいる。

「はい?なんの御用ですか?」

だが、この言葉は、正直初めてのコト。

「不壊、いますか?」

それでも優しいその子は、なんの不思議も抱かず、優しい笑顔でどうぞ、と扉を押し開けて彼女を迎えた。



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・不壊の子?」
「殴るぞ。植木のにぃちゃん」
「違うのか?」
「違う」
「じゃぁあの赤野さんがもっすごく顔色悪くヒイテるのも原因?」
「嬢ちゃんが知らないのは意外だねぇ?」
「え?」

「拓さん?」
「いや、ん、え、と、な?
えー、紅茶入れてくる・・・な?」
「あ、俺も手伝うとよ」
「あ、ありがとう、だ・・」

「"sunbeams"」
「・・・・・・・・・・・はい」

「なんだ?あの嬢ちゃん、もしかしてそっちで結構偉い?」
「偉いっちゃぁ、偉いかねぇ」

「お久しぶりです」
「息災そうで・・・妖・・逆門さま」

・・・・・・・・

「え?」
「っそ?!」
「あれ?有名人なのか?」

「元気そうでなによりです、赤野さん」
「・・・・・きみどり、さま・・」


「こんちゃー、お邪魔するでぇ」
「すいません、お久しぶりです」

「わっ、ばかっ!?なんでノー連絡でくるのよ?!佐野っ!犬丸っ」
「って、いつものことやん」
「だからちゃんと連絡しましょうって・・・」

「・・・・・・・・・なんてぇ日だい」
「全くだ」





「えーと、だ」
「・・・・」

「こっちが魔の統括、妖逆門こと、きみどり様」
「・・・・・・・・・・・・はじめまして」
「あ、はじめまして」
「んで、こっちのが現神の犬丸」
「よろしくお願いします」

「・・・・・・・・どーした?森」
「うちはただのちっこい場末の教会なのに・・・」
「まぁ、ちょっとしたラグナロク起こってもおかしかない展開やんねぇ」
「あんたもキーワードの人間なんだけど」
「ほぇ?」

「え、と。今日はどのような御用で」
「不壊に」
「・・・・・・・?」
「逢いにきたの。お話していいですか?」
「・・・・・・出るぞ」
「あ、僕は構いませんけど」
「構え。お前は」
「で、犬のおっさんは何しに来たんだ?」
「あぁ、僕らは本当に、息抜きです」
「うわぁ。息ぬけねぇ時にきたな、お前」
「そーですね・・・僕らは出直しますか」
「せなやぁ。ワンコ、デートしよ、デート」
「え、でも」
「えぇやん。元から休みやし」
「そーですねwじゃ、お邪魔しました」


「・・・・・・・ここがレジスタンス組織だって認識があるのか?あいつらは」
「さぁ?一応、敵って認識はなさそうだけどね」
「あ?なんだ、その書類」
「・・・・・・・態々、あの二人できちゃってもいいのかどうか、悩む内容っぽいわね、正直」

「・・・・・ふぅん?」


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 不壊sサイド



「・・・・で?」
「突然来て、ごめんなさい」
「かまわない。理由さえ分かればな」
「うん」
「で?」
「・・・・・・・・不壊は」
「・・・・」

「まんなかだったから、大丈夫だった。
でもたたかうなら、誰かにばれる、わ」
「・・・・あぁ」
「それでも、たたかうの?」
「欲しいもんができたんだ」
「・・・・ほしい、もの?」
「あぁ。だから、戦える」
「・・・・・・・」

「不壊」
「・・・・・」
「コワサズ、コワセズ、コワレズ。」
「・・・・・・・」

「いいの?」
「俺は失わない」
「・・・・・」
「誰にも失わせない。自分の為にも。あいつの為にもな」

「あいつ?」
「俺の欲しいもん」
「・・・・・・・不壊が、ほしいもの・・・」
「あぁ」


「・・・・・ただいま」
「きみどりさまは?」
「帰った」
「なんか嵐みたいやったねぇ」
「まぁ、アレよりもあの従者が嵐みたいな生き物なんだが」
「従者?」
「あぁ」
「あー。アレな」
「あぁ。アレだ」

「ところで小林たちは?」
「さぁ?さっきの資料にかじりついているようだが・・」
「資料?」

「あぁ、戻ったか、不壊」
「・・・・?」

「ちょっと、話がある」
「・・・・・あぁ、わかった」



・・・・
  あれ=ねいど。




世界はめぐる。
変わる狭間に立つのは

常に黄昏。


「お前、ほんとは魔じゃなかったんだな」
「あ?なんだ、よくわかったな」
「神さまなめんな」

「コバセン、結局意味が分からないんだけど」
「つまり、森、お前は神側の記録者だ」
「うん?」
「不壊は、向こう側の記録者ってことだ」
「・・・・・・・・・え?」
「全部知ってるんだな。お前は」

「知ってるが・・・
同時に、なにもできない。いや、"ここ"なら何かが出来ると確信している。それじゃ駄目か?」
「・・・・・・ったく。
今ここに攻め込まれたらマジでヤバイな、ここは」
「そうなのか?」

「世界を変える要素がまとめてここまで集まってるとなぁ?」




 ここにきてゲームシステム的に書いて観る
===

 mission;大量殺戮兵器「リヴァイアサン」を破壊せよ

player選択(上限2人)
 →赤野
 →小林

「とにかく正面突破、+、一転集中」
「トドメさしたほうが一杯おごりってのはどうだ?」
「のった」

「シュミのわりぃデザインだな」
「そんだけ旧時代の遺産ってやつって証明だろ。
森によるとありゃぁ音波兵器だ。
改造されてもそれはおそらく変わってネェ」
「気をつけようってのも難しいな。
ok、使われる前に片付けようぜ」
「つまんねぇこと言うなよ」
「安全第一、今の俺のモットーだ」
「ダンドーのために、か?」
「勿論。じゃ、お先」
「あ、てめっ」


「っ?!世界喰い?!」
「深緑の、炎?!」

「ここに俺たちが来た目的はわかってるな?」
「まかり通るぜ。
死にたくなけりゃ、どいとけ!お前ら!!」


















戦争の終結は酷くあっさりしたものだった。
それこそ、何千年と続いたて来たことを疑うほどに。

つきものが落ちたようだ、とでも言うべきか。
互いへの憎しみがなくなったわけではないだろうけども。



「本当に、あの紙切れのせいだったのか?」
「ま、きっかけくらいにはなったんじゃねぇのか?
戦うのも憎むのも。
実際疲れていたと想うぜ、いい加減、さ」
「でもこれで大量リストラよねー。
どーすんのかしら」
「知るか、そこまで」
「まぁ、おれぁこの辺で暇するぜ。
やっと約束が果たせるんでな」
「約束?」
「こんちゃー、不壊いますか?」
「あ、三志郎」
「耕にぃ。おつっ!で、不壊」
「いるぞ。っていうか、なんだ、その荷物」
「旅に行くんだ」
「え?」
「戦争終ったら、二人でって約束したからっ」
「約束」
「なんだい。お前さんからきちまったのか?」
「うん」
「ま、そゆことだ」
「そっか」
「じゃ、世話になったな」
「またな」
「あぁ。さ、いこうか、兄ちゃん」
「おぅ!」



「お前はどう・・・するって、聞くまでもないか。赤野」
「あぁ。ここがおれの居場所だ」
「けど、おれ・・・
結局人やから。絶対拓さんおいてっちゃうとよ」
「わかってる。それでも、一緒にいたいんだ、駄目か?」
「駄目じゃなかと!」

「うわ、このばかっぽーの面倒みんのかよ、森」
「あんたに言われたくないわね。
ま、いいわよ。で、あんたたちは?」
「さて」
「どうしようか?コバセン」
「なぁ?」



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 というわけでED編でした。
 お付き合いべりーさんくでございw


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