青学男子テニス部3年組は非常に仲がよろしい。

よろしすぎて些か度を越えているベクトルもあるが、基本的にはワイワイやるのが大好きだ。

ちょっと問題あるんじゃないか?って程度の羽目は、ぷつんと外せる位には。



「うにゃぁ!ふじぃ!ミノはおれんだー!」

「英二こそさっき僕のタン塩とったじゃない」

「カルビ追加するぞ」

「あ、このじゃがいもうまい」

「海老貰うね」

「このハラミが食べごろまで9.2秒・・・・・」



毎度お馴染み青学中等部・・・の、理科室。

あの独特の黒い机の上は、一台のホットプレートと色とりどりの野菜と肉とシーフードに埋もれて存在していた。

なんのこたない。

名誉生徒会長の座を押し付けられた名誉テニス部長こと手塚国光を始めとする青学名物3年組がマイペースに焼肉パーティーなぞ開催していたのだ。

焼肉「パーティー」なので、勿論、名目がある。

強の名目は祝いの席だ。

祝い・・・・・・それは、3年マスコット担当、菊丸英二君はっぴぃ15歳バースディ。

勿論、先述した通り「名目」なので、あんまり甘やかされてはいない。

食べ盛りがこれだけ揃っているのだ。

遠慮はしないし、しちゃいけない。

ライオンの母は、子どもの為に自分の腹を満たすことを最優先と考える・・・・・・些か間違っているかもしれないが、そういうこと。

「うにゃぁあ!主役はおれだぁあ」

「だから英二の家のホットプレートだって運んだの大石じゃない」

英二君は泉の精も裸足で逃げ出すほどの正直者なので、優先権のない状況に不満をぶつけたが、親友殿は一刀両断。

因みにシーフードは河村、肉は手塚、野菜は乾で不二は飲み物とたれ。

特に最後の人は他の面子に色々と制限を掛けられてしまっていたので、実はあんまり機嫌がよろしくなかった。かといって、彼の「おいしい」たれなんぞ、誰一人としてついていけない。

だったら自分のだけ、という主張も「目に来るから止めろ」と言われている。

「ふじぃ。ちゃんと俺のこと祝ってる?」

「勿論」

おめでとう、という気持ちと、自分の主張が通らなかったことへの不満は別物だし。

そういって笑う不二は、後ろが黒いがすっごい美人だ。

「英二。不二に不毛な質問をして満足できるなら構わないけど、お前がキープしているロースの理想焼き加減が1.2秒オーバーしたぞ。それからその肉が他者に奪われる確率・・・」

「うにゃにゃっ!これは俺が大切に育てて←?きたおにくにゃのぉお!」

焼いてる肉を育ててきたとはこれいかに。

尤もデータマンの言うところの「焼けすぎ肉」を英二は急いで己の口の中に放り込んだ。

どうでもいいのかもしれないけれど、今ひとつ祝われているって言う気になれないのは、被害妄想なのか友情希薄なのか。

でもふと。

特別扱いよりこっちの方がきっと心地いいんだろうな、なんて知っているのもまた、今までの経験が教えてくれている。



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はっぴぃ英二ばーすでぃ!
めちゃら平和な3年組。
ところで名誉生徒会長って・・・・
解る人がいたら友達になってください。
初めて買ったOVAだよ、ダグ・・・
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