恋情依存

毎年、誕生日と言うのはあまり嬉しいと思うものじゃなかった。

むしろうっとおしい。

いつもほっといているくせに、この日ぐらいはと言って構う親も、都合よく告白に持っていこうとする女たちも。


だから、何時もと変わらないこいつがものすごく心地いいと思えるのだ。


今日は学校をサボった。

顧問も担当も、「部活(授業)にならないからくるな」と言い切った。



だから、関係ないはずの後輩に電話して、無理矢理つき合わせて。



それでもこいつは何も言わない。

俺の我侭に嫌な顔せず付き合って、こうやってなにをするでもなく海を見ている俺のソファ代わりに座っている。

心地いい時間。

人の体温が不快だった昔を思い出せないぐらい、俺はこの存在に依存している。



「樺地」

「うす」

「・・・寝る」



「・・・おやすみなさい」



低い声に誘われるように瞼が重くなる。



何時もと変わらない。

それがなによりの、特別への事実。


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