思ったとおりの未来がきたら それはそれで、刺激としては弱いかなって。 こう考えるのは、我侭の証拠? TO YOU... 運動部に夏休みはあんまり関係ない。練習参加者の数が激減するのは仕方がないが。因みに青学テニス部の場合、全国大会の関係でレギュラーは必須、以下多数は希望という体制をとっている。 ただし選手に戻っても世話焼病の治っていない乾の決めたところにより、朝組と夕方組に分かれ、昼間は屋内筋トレか、宿題の消化にクーラーの入る部屋を一つ、借りている。 その辺、校内一の天才(災?)不二周助と校内一の情報屋(教師含む)乾貞治の所属する部である、尤も好き好んで練習続け、熱中症に掛かりかけたおかげで逆に身の危険に襲われそうになった男もいるが・・・誰とは言うまい。閑話休題。 で。朝は無理することないと判断した越前リョ―マは、昼間→夕方コースを選んだ。 大半の面子が顔出しているので結構宿題に関しては美味しいし。涼しいのはかなりありがたい。 そしてその日も、始まりはいつもと大して変わらなかった。 いつも通りに迎えにきてもらって、いつも通り、連れ立って学校に向かう・・・ 相手が待っている言葉なんて、知らないって顔して。 「おーちび」 いつも見るものより、2倍以上おおきい弁当箱片手に。リョ―マの事をそう呼ぶのは決まって1人。 「なんスか?エージ先輩」 「桃にもう言った?」 好奇心を形にしたような目で、言葉すくなの問いかけ。 それはほんの少しの、悪戯の気配。 「何をっすか?」 「むー。其の顔わかってて言ってるかおー」 案外、人に気を使える気まぐれ猫は、そう云ってリョ―マに突っかかる。 「遠慮しないでいいっすよ」 先、言っても。 「桃はおちびのほうに先言ってもらいたそーだけど」 菊丸英二も負けていない。挑戦的に、気にしている目線の先には・・・微妙ブルーで同級生に敬遠されてる桃城。因みにこの後、調子が狂うといって海堂に殴られ、切れる。もうちょっと先のことだが。 でも。 「いーんですよ。こーしとけばプレゼント貰った時も、ひとしおっしょ?」 「おちび、確信犯」 だって俺は、一番最初じゃなきゃパンクしちゃう。 「色々あるんですよ。人間て。それより、大石先輩とじゃないんすか?其の弁当」 「わかる?」 わからいでか。この万年新婚。 飲んだ言葉を補うように、向こうでテニス部2年生名物がエキサイトのゴングを鳴らしていた。 中途半端な夕立は、蒸し暑さを演出する役しかしない。それでも自転車の上は快適な冷気を自然供給してくれて。 ここも、まだいつも通り。 「じゃ、また明日よろしく」 「・・・あぁ」 ホッペタのバンソウコウとかに目をやって、ちょっと物いいたげな顔とか、希望的観念とかそういうのにはまだ、気付かない振りして。 ねぇ、気付ける? 無理だろうね。先輩じゃ。 「つめて―よな、つめて―よ」 そんなぼやきが、ちゃんと聞こえてることも。 俺が準備した、「プレゼント」に気付けないことも。 「まだまだだね」 零れる声に、ほんの少しだけ混ざった意味も。 家族迷惑な0時直前の電話の意味も。 「俺が、最後でしょ?」 「え?」 「最初よりも、最後の方が覚えていられるでしょう? 他の人間の声なんか忘れるぐらいに、俺の声を聞いてて?」 「・・・早くしねぇと、明日になるぜ?」 「解ってますよ・・・HAPPY BARTH DAY!桃先輩」 -------------------------------------------------- はい。じらしてます、王子。思ったより短かったなー(御免)。
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